眼瞼下垂~第5章 : 眼瞼下垂の治療法・筋肉とまぶたの連結がゆるんだタイプ
筋肉とまぶたの連結がゆるんで筋肉の力がまぶたに上手く伝わらなくなったものです。
このタイプの眼瞼下垂の治療はまぶたを持ち上げる筋肉とまぶたの間のゆるんだ連結を修復することです。具体的には、腱膜前転法・挙筋短縮法・ミュラータッキングといった方法があります。
私が行っているのはこの2つです。
眼瞼下垂~第5章 : 眼瞼下垂の治療法・筋肉とまぶたの連結がゆるんだタイプ 目次
私が行っている腱膜前転術
私が行っている腱膜前転術は切開法による眼瞼下垂の修正術と呼ぶことができます。
全切開法の二重手術とは違います。全切開法の二重手術では皮膚を切開して二重を作ります。これに対して、腱膜前転術は皮膚を切開して、二重を作るだけでなく、まぶたを持ち上げる筋肉の先端にある腱膜という硬い膜を探し出して修復します。
そして、この腱膜を引っ張り出してまぶたに縫いつけます。この時、糸がしっかりかかるようにまぶたの裏にある瞼板という硬い組織に糸を通します。
なぜ腱膜と瞼板を縫い合わせるのか?
腱膜と瞼板が他の組織よりも硬くて、通した糸が緩みにくいからです。
挙筋短縮やミュラータッキングでは筋肉に糸を通しますので、術後に筋肉が裂けてゆるんでしまうことがあります。
また、筋肉は引っ張ると伸び縮みしますが、腱膜は伸び縮みしません。
そのため、腱膜に糸を通す位置をミリ単位で変えることによって目の開き具合を微妙に調整することができます。
さらに、腱膜を使うと術後に開きの強さを修正することもやりやすくなります。
そういうわけで、腱膜を用いた手術方法は美容目的で目の大きさや形を変える手術に適しています。
埋没式の目力アップ
埋没式の目力アップはまぶたを切開する必要がありません。いわゆるプチ整形の一つです。
まぶたの裏側に細い糸を埋めることよって、まぶたの裏側の結膜とそれにくっついているミュラー筋を縫い縮めます。
ミュラー筋にはまぶたをもちあげるはたらきがあります。
そのミュラー筋を縫い縮めることによって目の開きを大きくすることができます。
埋没法には2つある
通常埋没法と呼ばれる手術はまぶたの裏と表の間に糸を埋めることによって二重の折れ癖を作る手術です。
一方、埋没式の目力アップは眼瞼の裏側にだけ糸を埋めて、まぶたの開きを強くする手術です。
埋没式の目力アップと切開法の腱膜前転術の違い
この埋没式の目力アップは切開法による腱膜の手術に比べると、目の開きを大きくする効果が小さく、術後の後戻りも起こりやすいという欠点があります。
しかし、切らなくてもできるプチ整形であるという点で美容外科に適しています。
切開法の腱膜前転術を受けると二重まぶたを作ることになります。
一方、埋没式の目力アップでは、二重を作ることになりません。一重の人は一重のまま、二重の人はそのまま二重です。
第6章は「まぶたの持ち上がりを強くする際の注意点」です。
まぶたの持ち上がりを強くする際、未熟なドクターが起こしやすい失敗は・・・