エラの骨を削るということ PART4~エラの角はいくつありますか?
「エラの角(かど)はいくつありますか?」
バカな質問と思われるかもしれませんが、エラ削りという手術では非常に大切なポイントです。
答えはもちろん一つですが、エラの手術でこれが二つになってしまう事があります。
外見上、下額骨の形態は正面より横顔のほうが分かりやすいので、エラ削りの後の輪郭が不自然にならないためには横顔を自然にすることが重要になります。
今日は、エラ削りで横顔が美しく見えるために必要なことをお話ししたいと思います。
横顔で頬の面積が大きく見えやすい方の多くは、頬の形が四角形になっています。
これが横顔の小さい方では三角形に近い形をしています。
この違いは下顎角の位置によって起こります。
つまり下顎角の位置が低ければ低いほど頬が四角形に見えます。
横顔を小顔に見せるポイント
ということは、逆に言えば下顎角を高い位置に持っていくことが横顔を小顔に見せるポイントになるという事です。
下顎角を高い位置に持っていくためには、当然今ある下顎角を削る必要があります。
この時大切なことは、下顎角はあくまで高い位置に持っていくだけで無くしてしまってはいけないという事です。
生まれつき「下顎角が無い」つまり「エラが無い」輪郭はありません。ということは、エラが無くなると通常ではありえない輪郭になります。
そればかりでなく、エラが無いと顎から頸へのつながりがぼやけてしまい、フェイスラインにメリハリが無くなってしまいます。
つまりエラ削りでは、大きく低い位置にある下顎角を削って、高い位置に新たに小さい下顎角を作ることが重要です。
具体的にどうするか?
言葉にすると簡単そうですが、下顎角を単純に削るだけでこうなる事はあまりありません。
単純に下顎角だけを削ると、「角」つまり「新たな下顎角」が二つできてしまいます。
ある程度下顎角だけが突出した上の写真のようなタイプ(タイプⅠ)であればそれほど大きくは目立ちませんし、下顎角部分だけでなくもう少し前方まで削る事によってこれを防げます。
それによってオトガイからエラにかけてのフェイスラインもスムースになります。
ちょっと厄介なのは下顎全体がスクエアに大きいタイプ(タイプⅡやタイプⅢ)です。
部分的に突出している所が無いため、かなり前方から削らないと角が二つ出来てしまいます。
特にタイプⅢ(ショート&スクエア タイプ)では、下顎底(下額の下のライン)が水平に近くなるため、オトガイからほぼ下顎全体を削るイメージでいかないといけません。
また下顎全体が大きいタイプには、当然エラだけでなくオトガイ(顎)も大きいという方がたくさんいらっしゃいます。
こういった方がエラだけを削ると、今度はオトガイ(顎)の大きさが目立ってしまう事があります。
そのためこのタイプではさらに削る範囲を広げ、オトガイから下顎ほぼ全域を削る事になります。
ヴェリテクリニックでは
こういった広範囲の骨形成を容易にするため、ヴェリテクリニックでは広範囲の骨切りを可能にする術式やそれに必要な独自の器械の開発を行っています。
そのため、削る範囲が大きくなるからと言って手術時間や術後のダウンタイムが長引く事はありません。
実際私自身、7、8年前に比べ、行っている手術自体はより高度で大きな術式になっているにも関わらず、それにかかる手術時間は短くなっています。