眉毛を持ち上げる手術「前額リフト」
1.前額リフトによるイメージの変化
術前
眼瞼下垂のためにまぶたの開きが悪い症例は、通常まぶたを何とか持ち上げようとしておでこの筋肉に力が入れるため、眉毛が持ち上がっています。
しかし、中にはおでこの筋肉と皮膚がゆるんでいて、眉毛が下がっている人がいます。
眼瞼下垂術後
おでこがゆるんでいる人に眼瞼下垂の手術を行いますと、おでこの筋肉の力がさらに抜けて眉毛が下がってきます。
そのため、術後二重の幅は予定していた幅より狭くなってしまいます。
上眼瞼リフト術後
おでこが緩いために二重が狭くなっている症例に対して上眼瞼リフト手術を行いますと、おでこのゆるみがさらに強くなります。
上まぶたのたるみを切り取った分だけ眉毛が下がってくるため、二重は広くなりません。目と眉毛の距離間が近くなります。
前額リフト術後
おでこがゆるんでいる症例には眉毛を持ち上げる手術が適しています。
この症例ではおでこの生え際より後ろで皮膚を2センチほど切開して、おでこの皮膚を上方に引き上げる前額ミニリフトを行いました。
同じ患者さんの眼瞼下垂術後のメークありの写真では、二重が狭すぎるため、アイメークをすると奥二重に見えてしまいます。
前額ミニリフト後のメークありの写真です。
眉毛を持ち上げたことによって二重が広くなっただけでなく、上まぶたの腫れぼったさも改善しています。
おでこに緩みがあるために二重が狭くなっている症例には上眼瞼リフトではなく眉毛をリフトする手術が必要です。
2.眉毛を持ち上げる手術 3つの方法
① 眉毛の直上で皮膚を切り取る =ブローリフト
② 頭髪内の小切開でおでこをリフトする =前額ミニリフト
③ おでこの生え際で皮膚を切り取る =前額リフト
①は②や③に比べると手術が小さくなります。ただし、術後は目元の腫れが目立ちます。
腫れの強さは①でも②でも③でもあまり変わりません。①の眉毛直上の傷跡は眉毛にアートメークが入っている人では全く目立ちません。
②の頭髪内の皮膚を小さく切る方法では傷跡が毛髪内に隠れるという利点があります。
しかし、おでこの生え際が後方に引き上げられるため、おでこが広くなります。
女性でもおでこの生え際が後退すると老けて見えてしまいますので、①から③の中から手術法を選ぶ際には、術後の傷跡やおでこの広さを考慮して選ぶ必要があります。
3.眉毛をリフトする手術のシミュレーションと術後経過
術前
眉毛をリフトする手術のシミュレーション
生え際で皮膚を切り取る前額リフトの術後半年
まぶたの重い印象はよくなり、おでこの横じわも眉間の縦じわも目立たなくなりました。
理想をいうなら、もう少し二重が広くなるように埋没法をおすすめします。