重瞼術~第3章 : 切開法
切開法では皮膚を切開して皮膚とまぶたを持ち上げる筋肉(実際には筋肉の先端にある腱膜と呼ばれる薄い膜)を縫い合わせて連結させます。
重瞼術~第3章 : 切開法 目次
切開法の二重が消えにくいわけ
皮膚を切開すると傷痕ができます。
全切開術後1週間、まだ糸がついています。
術後1ヶ月、傷跡は赤い。
術後6ヶ月、傷跡は目立たなくなりますが、消えることはありません。
この傷痕は無くなることはありません。同様に、皮膚と筋肉の間には傷痕と同じく瘢痕組織ができます。
そして、この瘢痕組織は無くなることがありません。そのため、切開法で作った二重は消えることがまずありません。
全切開で平行型のはっきりした二重を作りました。この二重が消えることはありません。
ただし、瘢痕組織も年月がたつに連れて軟らかくなって伸びることがあります。
そうすると、二重が浅くなったり、消えたりしますが、これは大変稀なことです。
埋没法の二重と切開法の二重は違うのか?
ところで、切開法で作る二重まぶたと埋没法で作る二重まぶたにはどういった違いがあるのでしょう。
切開法でも皮膚を切り取らないで二重を作るなら、埋没法で作る二重と同じ仕上がりになります。
埋没法にしても、切開法にしても、まぶたの皮膚に折れ癖を付けて皮膚を畳むわけですから、出来上がりの二重に差はありません。
ただし、埋没法で作った広い二重は年月がたつと消えてしまう心配があります。
切開法をしなければならない時
それではどんな時に切開法が必要となるのでしょう?
わたしが切開法をお薦めするのは二重を取れにくくしたい時と上まぶたの皮膚にたるみや余りがある時です。
二重を取れにくくするためには切開法
切開法は埋没法に比べると重瞼線が消える心配がありません。
したがって、埋没法を2回か3回繰り返したけれども二重が取れてしまったという患者様には切開法がお薦めです。
第2章でも言いましたが、幅広の二重を希望する患者様や上まぶたの皮膚が硬くてぶ厚いまぶたで、脂肪が多いまぶたの患者様です。
こちらの写真のようなタイプの方は、埋没法で作った二重が消えやすいといえます。そういった方でも、一度は埋没法で二重を作ってみることをわたしはお勧めします。
しかし、重瞼線が取れてしまうのを心配するのは嫌だとおっしゃる患者様にはもちろん最初から切開法をさせていただきます。
皮膚が余っているときの重瞼術
上まぶたの皮膚が余っているため、単純に皮膚を折りたたむだけでは希望する二重の巾を作ることができないことがあります。
これは年をとったためにまぶたの皮膚がたるんできたという年配の患者様によく見られます。
しかし、若い人でも、生まれつき眉毛と目の距離に対してまぶたの皮膚が余っている患者様がいらっしゃいます。
そういったケースでは重瞼線を低いところ(睫毛に近いところ)に作ると重瞼線より上の皮膚がたるんで垂れ下がってくるため、奥二重になってしまいます。
皮膚が余っているまぶたに低いところで二重を作りますと、
睫毛の上のたるみはすっきりします。
目を開くと奥二重になります。
一方、二重が隠れないように重瞼線を高いところ(睫毛から遠いところ)につくると、重瞼線より下の皮膚がたるみとなって睫毛の上にかぶさってしまいます。
皮膚が余っているまぶたに高いところで二重を作りますと、
睫毛の上のたるみが残ります。
目を開くと二重になりますが目元がすっきりしません。
これだと二重の巾は十分広くなりますが、一重まぶたの目元のように睫毛に皮膚がかぶさって目元がすっきりしません。
このようにまぶたの皮膚が余っている患者様には、切開法で余分な皮膚を切り取って二重を作ります。
全切開法で皮膚のあまりを切り取ります。
睫毛の上のたるみがとれます。
目を開くとたるみのない二重ができます。
そうすれば、希望する広さの二重を作ることができますし、睫毛の上のたるみも緩和できます。
第4章は「脱脂術」です。
一般的に行われている上まぶたの脱脂術というのは眼窩脂肪と呼ばれるまぶたの比較的奥にある脂肪を取り除く手術です。