眼瞼下垂~第9章 : 眼瞼下垂の手術はパッチリ目にしたいという希望に応えられるか
2011年1月15日日本美容外科学会が主催した研究会のメインテーマは眼瞼下垂の治療でした。
そこで、私は「挙筋腱膜前転法による目力アップの効果」について発表しましたが、その内容は次のようなものです。
眼瞼下垂~第9章 : 眼瞼下垂の手術はパッチリ目にして欲しいという希望に応えることができるのか 目次
ヴェリテの患者さんの術後調査の結果
現在、目をパッチリしたいと希望して美容外科を訪ねられた患者さんは、ほとんどどこのクリニックに行っても眼瞼下垂を修正する手術を勧められます。
ヴェリテクリニックでも目をパッチリする目的で、切開法を用いた腱膜前転法を行っています。
しかし、眼瞼下垂の手術が目をパッチリして欲しいという患者の希望に答えているのかどうか確信が持てませんでした。
そこで、過去2年間にヴェリテクリニックで眼瞼下垂の手術を受けられた患者さんを調査してみました。
まぶたの開きが弱い患者さんに対する眼瞼下垂手術
その結果、約9割の患者さんでは目の開きが大きくなっていました。
特に、術前に目力がない、目の開きが弱い患者さんではほぼ全員、目の開きが大きくなっていました。
つまり、眼瞼下垂が進行している患者さんに手術を行うと目の開きが大きくなったと言うことです。
目の開きが強い患者さんに対する眼瞼下垂手術
それでは、術前から目がかなり大きく開いている患者さんに眼瞼下垂の手術を行うとどうなるのでしょうか?
術前に目の開きが大きい患者さんのうち半数ではやはり目の開きが大きくなっていました。
しかし、残りの半数では目の開きは大きくなっていないか、むしろ多少小さくなっていました。
そういった場合でも、まゆ毛は術前より下がって目に近づいていました。
要するに、眼瞼下垂の病気がない患者さんに眼瞼下垂の手術を行うと、さらに目の開きが大きくなるか、目とまゆ毛が近くなるか、どちらかの変化が起こるわけです。
確かに、目とまゆ毛が近くなると目力が強く見えます。ここまでの結果をまとめますと、目の開きが弱い人でも強い人でも眼瞼下垂の手術を受けると目力が強くなるわけです。
アイメークと眼瞼下垂の手術の関係
それでは、目力が強くなるとパッチリ目になるのか?という疑問が最後に残ります。
パッチリした目元というのは、アイメークによって大きく変わってきます。
メークをしていない時は二重が広くて黒目が多少隠れている眠そうな目でも、アイメークをすると華やかな目元になります。
この目に眼瞼下垂の手術をしたところ、黒目がはっきり見えるようになり、二重が狭くなり、目力が強い目元になりました。
確かに、ノーメークの状態では、術後のほうがパッチリして見えます。しかし、術後の目にメークをすると、二重が狭いぶん、華やかさがありません。
要するに、アイメークをする場合、狭い二重ではぱっちり感が損なわれます。
次の患者さんは術前に軽い眼瞼下垂がありました。眼瞼下垂の手術の後、目力が上がりました。
先ほどの患者さんと同じように、二重は狭くなりました。しかし、手術の時に少ない脂肪を取ったおかげで、術後1ヵ月経過した時には広い二重になりました。
そのおかげで、メークをしていない状態でも、メークしている状態でも、術前より断然パッチリした目元になりました。
パッチリ目を作るためのコツ
結論を言いますと、パッチリした目元を作るには、目力を落とさないで、二重を広くする必要があります。
ただし、メークが薄い人やメークをしない人では広い二重は禁物です。