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鼻中隔延長術 上級者編~第4章 : いいかげん(加減)の延長

鼻中隔延長術を行う上でもう一つ注意しなければならないことがあります。鼻を下に伸ばすと鼻の穴の中が見えやすくなるケースがあります。

[鼻を下に伸ばすと鼻の穴の中が見えやすくなるケース]

鼻背のラインに沿って延長した結果、鼻が大きくなる

特に、私たちが鼻孔縁と呼んでいる鼻の穴のカーブが上に向かって山型に上がっている人に鼻中隔延長術を行いますと、山型のカーブが一層強くなって三角になります。この三角に引きつれたように見える鼻の穴の形は顔にキツイ印象を与えます。また、横から見た時に、鼻の穴の中が見え過ぎ、鼻毛が見えてしまいますので、チョットいただけません。

そういうわけで、術前の鼻の穴を観察して、術後に鼻の穴が三角にひきつれそうなケースでは延長量を控えめにする配慮が大切です。延長のやり過ぎや延長方向の誤りによって、希望する鼻にならなかったケースを修正することはもちろん可能です。粘膜や皮膚が足りないという事態にはなりませんので、修正することができます。

鼻中隔延長術 上級者編~第4章 : いいかげん(加減)の延長 目次

患者さんの望む理想の形

[患者さんが望まれた“現時点での”最終形]

鼻背のラインに沿って延長した結果、鼻が大きくなる

この患者さんは以前にL型のシリコンプロテーゼを使った隆鼻術を受けていました。正面から見ても横から見ても、鼻が短いのが分かりました。

患者さんの希望は、短い鼻を短くない目立たない鼻にしてくださいというものではありません。”あゆ”のようなすらっとした長い鼻になりたいと希望されました。

そこで、できるだけ、鼻の穴と穴の間の鼻柱部分が下に延び、且つ、鼻先も前方より下に向かって伸びるように延長術を行いました。

結果として、鼻は皮膚や粘膜が伸びる限界まで長くすることができました。

しかし、今度は長すぎる印象が強く、患者さんは修正を希望されました。キズが落ち着くまで3ヵ月待って、延長に使った軟骨をトリミングし、鼻を短くしました。

延長方向の間違いや延長量の不足ややり過ぎといった問題は、軟骨や粘膜といった素材が原因となって起こりますし、術者のセンスや技量のまずさが原因でも起こります。

しかし、術者が完璧な手術をして患者さんの希望通りに延長術を行っても、後日修正になることがあります。患者さんが術後に希望していたものが自分に似合わないことに気づいたり、患者さんの希望が変わったりすると、患者さんは延長の修正を頼んできます。

私にとっての「いい かげん」と、患者さんにとっての「いい かげん」

[当院での術前]

当院での術前

この患者さんもL型のシリコンプロテーゼを使った隆鼻術を受けていました。術前と比べて、鼻筋は通ったけれど、鼻が短いのが気になっていました。

患者さんの希望は「できるだけ鼻を下へ伸ばして三角定規みたいに尖らせて欲しい」というものでした。

私にとっての「いい かげん」と、患者さんにとっての「いい かげん」

こういった時の私はとりあえず、「鼻をしっかり伸ばすと顔の印象がきつくなるし、年上に見られるようになる。また、笑った時に鼻が魔女のように長く感じられる」と言ったことを忠告します。

それでも、私にとっての「いい かげん(加減)」ではなく、患者さんの「いい かげん(加減)」を目指して手術をさせていただいております。

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希望に合わせて延長術を行いましたところ、患者さんはこんな感じのキツイ顔になりたかったのと結果に満足されていました。

しかし、半年後には「ちょっときつすぎたみたい」と気が変わって修正を希望されてきました。

それでも、カワイイと言うよりは長くてきつめの鼻というイメージは残して欲しいということで、鼻柱の角度を上向きに変えるようにトリミングしました。


第5章は「鼻中隔延長後の鼻づまり」です。

鼻中隔延長術の術後に見られる問題点「鼻づまり」の解説です。