「小鼻が重い」ってどういうこと!?
「小鼻が大きいんじゃなくて重い」ってどういうこと!?
小鼻を小さくしたいとご相談にいらっしゃる方の中には、小鼻自体はそれほど大きくないというがかなりたくさんいらっしゃいます。
その中には、本当にきれいな形の小鼻なのに、ご自分で大きいと思い込んでいるだけの方もいます。
でも、実際それ以上に多いのは、大きくはないけど確かに目立つ、どこか気になる存在感のある小鼻を持った方です。
こういった方の多くは、「小鼻が大きいのではなく重い」という表現がしっくりくるタイプです。
「重い」というとあまりにも抽象的な表現ですが、実際、この表現以上にぴったりくる表現を思いつかないので、カウンセリングでもよくこう言って説明しています。
では、重い小鼻とは、具体的にどんな小鼻なのでしょうか。
イラストと写真で説明していきたいと思います。
横顔で、美しく見える鼻翼の形というのは、その下縁(鼻孔縁)の形状に大きな特徴があります。
鼻翼の下縁が、その付け根から一旦上に向かってゆるやかにカーブしていき、途中から方向を変え下に向かい、鼻先ではそのピークより下で終わっているように見えます。
ちょうど、鼻翼の付け根から飛行機が飛び立って、鼻先の手前で着地するイメージです。
これを、別の言い方で表現すると、鼻孔縁のカーブが全体として緩やかな上向きのカーブを描いていて、さらに、その鼻先側と付け根側に大きな高低差が無い形になります。
これが、小鼻が重く見える方になると、これとは違った形になっています。
まず、鼻孔縁が下に向かってカーブするか、またはほぼ直線的になっています。
鼻先側だけ、少し上向きのカーブになる方もいますが、全体として上向きの部分の割合が少ないのが特徴です。
こういった形に見える原因は、一つではありません。
小鼻そのものに原因がある場合もあれば、鼻の他の部分とのバランスに原因がある場合もあります。
このバランスにもいくつかのパーツか関係していますが、一番影響するのが鼻柱と鼻翼基部の位置関係です。
ちなみに鼻柱というのは鼻の左右の穴を隔てている真ん中の部分で、鼻翼基部というのは鼻翼の付け根になります。
この二つの位置関係で鼻翼の見え方が変わります。
例えば、鼻柱が短く鼻翼基部より上にあると、鼻翼が下に引っ張られたようになり、鼻翼が重く見えます。
鼻柱に充分な長さがあっても、それ以上に鼻翼基部の位置が低いと、同様に鼻翼が重く見えます。
バランスの問題ばかりではなく、鼻柱の長さや鼻翼基部の位置が理想的であっても、鼻翼自体に問題がある事で重く見えるケースもあります。
これは、鼻孔縁自体の形状が下向きのカーブになっているために鼻翼が重く見えるということです。
もちろん、こういった原因が複合的に合わさっているタイプも少なくありません。
当然、タイプが違えば治療の方針も異なります。
では、重い小鼻を軽くする治療についてお話していきたいと思います。
先ほどの3つのタイプに分けて、それぞれ考えてみたいと思います。
まず、鼻柱が短くて、鼻翼が重く見えるタイプでは、鼻柱を下に伸ばす治療、つまり「鼻中隔延長」を行います。
イメージとしては、飛び立ったまま着地しない飛行機を、着地させるイメージです。
この手術の詳細については、私の過去のブログやクリニックのホームページで見ていただくとして、簡単に言えば鼻の真ん中を下に引っ張るように伸ばす手術です。
実際、このタイプの方が指で鼻の真ん中をつまんで引っ張ると、それだけで、小鼻がすっきり見えます。(一度鏡の前で試してみてください。)
この鼻中隔延長は、前方にも鼻を伸ばすことができるので、重さだけでなく、小鼻が丸くふくらんで大きく見える方の、丸みの緩和を目指せます。
ですから、鼻柱が短いことも小鼻が大きいことも両方気になるという方は、よほど小鼻が大きい場合以外は、まず鼻中隔延長だけ行ってみることをお勧めしています。
それだけで、気になっていた小鼻の大きさが気にならなくなる方がたくさんいらっしゃいます。
もちろんそれでもまだ小鼻の大きさが気になれば、必要な分だけ切除すると良いと思います。
話が少し逸れてしまったので、元に戻ります。
次のタイプ、鼻柱の長さは充分あるけれど、それ以上に鼻翼が下がっているタイプには、「鼻翼挙上術」という治療を行います。
これは、その名の通り、鼻翼を上に移動させる手術です。単純に持ち上げるだけでは鼻翼が上でつかえてかっこ悪くなってしまうので、あらかじめ上げることでつかえる分の鼻翼を上で切除します。
通常の鼻翼縮小などと比べても傷が大きくなってしまうのが欠点ですが、この手術でなければきれいな小鼻にならない方は結構いらっしゃるので、最近増えつつある手術です。
では最後のタイプ、鼻柱や鼻翼基部の形は良いけれども、鼻孔縁のカーブそのものが下向きで小鼻が重く見える方には、鼻孔縁の下へのふくらみを変化させる「鼻孔縁形成術」を行います。
これも、以前お話ししたことがある治療なので、詳細は省きますが、小鼻の下縁を切除して形を変えるシンプルな治療です。
この手術は手技も単純で、傷も鼻孔縁の辺縁に沿った目立たない場所にしかできないので、適応さえあればぜひお勧めしたい治療です。
今回は、話を分かりやすくするため、ちょっと乱暴ですが大きく3つのタイプ分けをしてみましたが、実際はこれらの要因が複合的に関与していることが多々あります。
ですから、治療が複合的になることもかなりあります。
例えば、鼻柱も短いけれど、鼻孔縁のカーブ自体も下を向いているケースでは、鼻中隔延長と鼻孔縁形成の両方を同時に行います。
鼻翼の重さと大きさの両方に問題がある場合などでは、鼻翼挙上と鼻翼縮小を同時に行う場合もあります。
小鼻は本当に複雑で厄介な場所です。
一度手術すると戻れない治療も多いため、どんな治療をすればどういった形になるのかを術前に
イメージして治療に臨まないと、大変なことになります。
安易な治療は避け、納得いくまでしっかりとカウンセリングを受けて、手術に臨みましょう。