鼻 2.鼻尖縮小のやりすぎで
修正手術 : 鼻尖縮小
鼻を細くする鼻尖縮小術を繰り返し受けたため、ピンチノーズとアップノーズになりました。
経過 鼻尖縮小術を繰り返し受けた
これまで何度も鼻を細くする鼻尖縮小術を繰り返し受けました。
団子鼻 を細くする鼻尖縮小術を繰り返した結果、ちょっと細くし過ぎたみたいで、洗濯挟みで摘んだような鼻先、いわゆるピンチノーズになり、さらに鼻先全体が上を向 いて鼻の穴が正面から丸見えになりました。
【修正手術 前】 修正手術前のピンチノーズ
修正手術は鼻中隔延長術、隆鼻術、鼻孔縁形成
上を向いた鼻先を下に向かって伸ばすために肋軟骨*を使った鼻中隔延長術を行いました。 さらに、鼻先に軟骨を移植してピンチノーズの凹みを修正しました。
【鼻中隔延長術と肋軟骨*】
鼻スジに挿入されたシリコンプロテーゼが薄くて鼻背の高さが不十分なため、アップノーズがさらに強調されていましたので、鼻背のプロテーゼは厚い物に入れ替えました。
これまでに手術を何度も繰り返したため、鼻孔縁が引きつれて鼻の穴が丸見えになっていましたので、耳から皮膚と軟骨を移植して鼻孔縁形成を行い、鼻の穴を目立たなくしました。
【修正手術 術後】 ヴェリテクリニックでの修正手術後
さらに鼻スジがすらっと長くなるように眉間( みけん )にゴアテックスのプロテーゼを入れました。
【ゴアテックスのプロテーゼ】
ゴアテックスのプロテーゼは、布のように非常に軟らかい上に人体との親和性に優れているため、医療用としては人工血管や心臓のパッチや脳を包む硬膜の修復に用いられています。
【ハイブリッドゴアテックスプロテーゼ】
鼻筋をくっきりとシャープなラインにしたいという希望がある時は、鼻の部分にはシリコンでできたプロテーゼ、眉間にはゴアテックスというハイブリッドタイプのプロテーゼを使います。
修正前、後の比較
【修正手術 前】
【修正手術 後】
併せて行った施術・その他費用
- 鼻中隔延長術+肋軟骨移植術
- ¥990,000
他院修正の場合 + ¥220,000~¥440,000
- 鼻孔縁形成術(耳介軟骨移植)
- ¥550,000
他院修正の場合 + ¥110,000
- 隆鼻術
- ¥330,000
- 鼻プロテーゼ抜去術(他院で受けられた手術の場合)
- ¥165,000
- 眉間プロテーゼ挿入術
- ¥330,000
- 全身麻酔
- ¥110,000
鼻中隔延長術のトラブル一覧
A)感染
手術後、皮膚の赤み・熱感・痛み・腫れが増し続けたり、その状態が長引く場合は、感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合は、内服薬の服用、抗生剤点滴の投与を2週間続けて経過をみます。膿が溜まっている時は、鼻の中を切開して洗浄を行います。それでも治まらない場合は、移植した軟骨を除去します。
再度、延長術を希望される場合は、感染の原因となる細菌が完全に消えてからになりますので、少なくとも軟骨除去後4ヶ月経過してからとなります。
再手術の際は、すでに鼻中隔軟骨を摘出してしまっているため、ほとんどの場合、肋軟骨を使用し移植します。
B)アレルギー反応(異物反応)
実際に起きた経験や報告はありませんが、保存軟骨に対する異物反応が起こる可能性は否定できません。
対応
異物反応が起きた場合には、軟骨を除去する処置を致します。
C)血が溜まる
術後に傷の中で出血が起こりますと、皮膚の下に血が溜まって、鼻先、鼻柱、鼻の中粘膜が紫色に腫れあがります。
血液が溜まったままにしておきますと、感染、鼻尖が太くなる、鼻づまりを起こす危険がありますので、早めに治療をする必要があります。
対応
血が溜まっている場合は、直ちに溜まった血を注射器で吸い出すか、もう一度傷を開けて排出します。
D)傷口が開く
稀に糸が外れたり、傷口の治りが悪く傷口が開いてしまうことがあります。
対応
糸が外れ傷口が開いてしまった場合には、もう一度傷を縫い合わせる処置を致します。
E)糸が出てくる
軟骨と自己組織を縫い合わせる糸が露出することがあります。
対応
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
F)鼻尖の曲がり
延長手術をすることで、引き延ばされた皮膚や鼻尖の軟骨が元に戻ろうとする為、延長した軟骨に力が加わり曲がってしまうことがあります。
ヴェリテクリニックのこれまでの症例では、鼻尖が左右に傾くことが、10%程度の確率で生じます。
また鼻の穴の左右差は、20~30%の割合で認められました。
延長量が多くなるほど、また、過去に鼻の手術を受けている方ほど、起こりやすい傾向にあります。
対応
左右に傾いた鼻尖や鼻の穴の修正は容易ではありません。
左右差の修正を希望される場合は、移植した軟骨を削って延長量を短くしてバランスをとる処置をさせて頂きます。この場合延長した鼻が短くなることをご了承下さい。
延長した長さを短くしないで傾きの修正を希望される場合は、更に強力な軟骨を移植する必要がありますので、肋軟骨を採取して移植する処置をさせて頂きます。
※但し、修正手術を行っても完全に左右差をなくすとは困難なことをご理解下さい。
G)鼻の穴のひきつれ
鼻の穴の中の切開した傷が拘縮してひきつれることがございます。特に、再手術や感染が起きたケースでは、ひきつれも起こりやすくなります。
対応
術後半年を経過して傷跡が柔らかくなると、鼻の穴のひきつれも治まります。
それでもひきつれが残った時には、皮膚を移植する治療をさせて頂きます。
H)鼻尖の違和感
延長手術をしたことにより、鼻尖が固定され手術前のように動かなくなるため、違和感を感じることがあります。
特に、笑った時に気になります。
対応
延長手術をしたことにより、鼻尖が固定され手術前のように動かなくなるため、違和感を感じることがあります。
特に、笑った時に気になります。
どうしても気になる場合には、延長した軟骨を除去致します。
I)鼻柱(鼻の穴と穴の間)が分厚くなる
延長手術で軟骨を移植したことにより、鼻柱(鼻の穴と穴の間)が分厚くなることがあります。
対応
鼻柱(鼻の穴と穴の間)が分厚くなってしまい、修正を希望される場合は、移植した軟骨を削る処置をさせて頂きます。
※但し、削ることにより、鼻が短くなる、また、鼻尖が傾きやすくなる可能性があることをご了承下さい。
J)鼻閉感(鼻が通りにくい感じ)
鼻中隔に軟骨を重ねるため、鼻中隔が厚くなります。鼻尖縮小術を併せて行いますと、更に鼻の中の空気が通るスペースが狭くなります。そのため鼻づまりが起こりやすくなります。
特に術後は鼻の中の粘膜が腫れるため、鼻の通りが一層狭くなります。
対応
1~3ヶ月位の時間の経過と共に鼻の中の粘膜の腫れがおさまります。
その間は市販の鼻炎スプレーを使用いただきますと、鼻づまりが軽くなります。
それでも症状が残った場合には、移植した軟骨を削る処置をさせて頂きます。
但し移植した軟骨を一部削る手術をしても、鼻詰まりが完全には治らないことがあることをご理解下さい。
K)鼻柱が凸凹する
鼻の穴の鼻柱の部分に(鼻柱の側面)に膨らみが出来る事があります。
対応
元々の鼻尖軟骨の折れ曲がりが表面に出る・移植した軟骨の角が出っ張る・キズアトが硬く膨らむことが原因です。軟骨が原因の場合は、膨らんで見える余分な軟骨を切り取る事ができます。
L)延長した鼻が長すぎる・鼻尖が高すぎる
できるだけ患者さまのご希望に叶うよう、鼻の延長方向と延長量を相談して決定いたします。しかし、予定した延長量より多少大きくなってしまうことがございます。また、予定通りに軟骨を延長しても、仕上がった鼻が長く、高く感じることもございます。術後3~6ヵ月はむくみの為に大きすぎると感じることが少なくありません。
むくみが落ち着くまで6ヵ月程経過を見ていただく必要がございます。
対応
手術後1週間後もしくは4カ月以降に、移植した軟骨を削ることで調整することができます。
M)延長した鼻が短すぎる・鼻尖が低すぎる
できるだけ患者さまのご希望に叶うよう、鼻の延長方向と延長量を相談して決定いたします。しかし、軟骨の大きさや皮膚のつっぱりのため、十分な高さや長さを得られないことがございます。また予定通りの延長をすることができても、仕上がった鼻が低い、短いと感じることもございます。
対応
手術後半年以降に、皮膚に余裕があれば、鼻尖に軟骨を追加移植することが可能です。
肋軟骨採取が必要な場合もあります。
※さらに長さ・高さを出す為には、引き延ばされる鼻尖の皮膚に余裕があることが条件となります。
その為、修正できる範囲には限界があることをご了承下さい。
N)傷跡が気になる
肌の性質により、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がったり、段差や凹みなどが起こる場合があります。
対応
キズアトの修正を希望される場合、下記の方法を用います。
◆ステロイド注射(ケナコルト)
赤く盛り上がったキズを平らにする処置を行います。
効果が出るまで、1ヶ月に1回の治療を繰り返す可能性があります。
また、ステロイドの副作用として、皮膚や傷が凹む、細かい血管が浮き出るといったことがあります。
◆CO2レーザー照射
キズアトの段差を削って、なめらかにする効果があります。処置後は3ヶ月程赤みがあります。
◆切開法
傷の赤みが消えたうえで再度、切開し縫合いたします。
※傷を完全になくす事は不可能であり、目立たなくするという目的であることをご了承下さい。
また、個人の体質的な要因が大きいため、キズアト修正には限界がありますことをご理解下さい。
鼻孔縁形成術のトラブル一覧
A)感染
治療部位に「熱感」「強い痛み」「強い腫れ」等といった状態が長引く場合は、感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合は、内服薬の処方や抗生剤を投与します。
また、感染がひどいケースでは鼻の中を切開して膿を出す必要があります。
B)移植した皮膚が生着しない
稀に移植した皮膚や軟骨が生着しないで壊死することがあります。その場合、移植した組織は黒いカサブタになって、1ヶ月程ではがれてきます。鼻孔縁は術前の状態かそれ以上に上方にひきつれることがあります。
壊死した組織は、感染を引き起こす危険があります。
対応
生着しないで壊死した皮膚と軟骨は感染の原因になりますので、取り除く処置をさせて頂きます。鼻孔縁の傷が閉じるように軟膏を処方致しますので、傷が治るまで毎日ご使用下さい。
傷が閉じてから4ヶ月以上経過を待ってから、再度皮膚と軟骨の移植手術を行わせて頂きます。
C)移植した皮膚が鼻腔内で盛り上がる
傷の治りが悪くてケロイドのように盛り上がることがあります。傷が治癒する過程で縮むことによって、皮膚がよじれて盛り上がることがあります。軟骨の厚みのために、皮膚が盛り上がることがあります。
対応
ステロイド(ケナコルト)を注射することで盛り上がりを平らにする処置を行います。
それでも改善が見られない場合には、移植した軟骨を取り除くことで、盛り上がりを小さくすることができます。
ステロイド注射は十分な効果が得られるまで、1ヶ月間隔で繰り返さなければならない場合もあります。
ステロイドの副作用としては、傷が凹む、毛細血管が浮きでる事があります。
D)鼻孔縁の皮膚側の膨らみ
軟骨を移植したことにより、皮膚側に膨らみができることがあります。
対応
皮膚側に膨らみができるのは、移植した軟骨が原因のため、軟骨を取り除くことで膨らみは小さくなります。
軟骨を切り取ると下がった鼻孔縁が上に引きつれる可能性があることをご了承下さい。
E)鼻孔縁が硬くなる
軟骨を移植したことにより、触ったときに鼻孔縁が硬く感じる場合があります。
対応
どうしても気になる場合には、移植した軟骨を取り除きます。
軟骨を切り取ると下がった鼻孔縁が上にひきつれる可能性があることをご了承下さい。
F)鼻孔の形が横長に見える
上がっている鼻孔縁を下げると、正面から見た時の鼻の穴が縦長から横長になります。
鼻孔縁を下げることによる必然的な変化です。
対応
もし、横長の印象を直したいと希望される場合、移植した軟骨と皮膚を一部あるいは全部切り取ることで対応出来ますが、鼻孔縁が上に上がってしまうことをご理解下さい。
G)鼻孔縁の左右差
鼻の穴に左右差が起こる場合があります。
元々の鼻の穴の大きさや形や、移植した皮膚や軟骨の生着の左右差や萎縮の左右差が原因です。
対応
出来るだけ左右対称になるよう手術を行いますが、1mm以下のわずかな左右差については、手術の精度に限界がありますことをご理解下さい。
◆下がりが足りない方を下がっている方へ合わせる場合、再度皮膚と軟骨の移植を行います。
◆下がり過ぎている方を上がっている方へ合わせる場合、移植した皮膚と軟骨の切除を行います。
但し、軟骨を切り取ると下がった鼻孔縁が上にひきつれる可能性があることをご了承下さい。
H)鼻孔縁形成の効果が物足りない
鼻孔縁が上にひきつれている方は、元々鼻孔縁や鼻翼の皮膚に余裕がありませんので、皮膚と軟骨を移植しても、鼻孔縁が下がる量には限界があります。
対応
鼻孔縁形成の効果が十分でない場合には、ご希望であれば再度手術を行うことは可能です。
その場合は再度皮膚と軟骨を移植して鼻孔縁を下げます。
但し、手術を繰り返すことで鼻の穴がいびつな形になりやすいことをご理解下さい。
I)鼻孔縁が下がりすぎる
鼻孔縁を下げる量を正確にコントロールすることはできません。手術の結果、鼻孔縁が下がり過ぎたと感じるかもしれません。
対応
鼻孔縁が下がりすぎたと感じる場合、移植した皮膚と軟骨を一部あるいは全部切除することによって鼻孔縁を上げることが出来ます。
但し、ご希望通りの鼻孔縁にはならない可能性がありますことをご了承下さい。
J)糸が出てくる
稀に、軟骨と自己組織を縫い合わせる糸が露出することがあります。
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。
対応
糸を取り除く処置をさせて頂きます。
K)耳の変形
皮膚と軟骨を採取したことで出来る耳の皮膚の欠損が小さい場合は、直接縫い合わせますが、通常は、耳の後ろから皮膚を採取して、欠損部に皮膚を移植して傷をふさぎます。
それでも多少は皮膚が足りなくなるために、耳に変形が起こることをご理解下さい。
対応
どうしても変形が気になる場合には、皮膚移植を追加させて頂きます。
但し、皮膚移植をしても元の耳の形と全く同じには戻らないことをご了承下さい。
隆鼻術のトラブル一覧
A)感染
術後治療部位に「熱感」「赤みが出る」「強い痛み」「強い腫れ」等といった状態が長引く場合は感染が疑われます。
放置すると皮膚が破れて膿が出る、プロテーゼが飛び出す、鼻の穴がひきつれる、鼻の表面が凹む等の症状が出る可能性がある為、必ず治療が必要です。
対応
処置として内服薬服用、抗生剤点滴投与を2週間行います。
膿がたまっている場合には小さく切開して膿を出す処置を行い、その後毎日傷の洗浄を行います。
それでも改善がみられなかった場合は抜去手術を行わせていただきます。
抜去後の再挿入手術の時期に関しては、感染の原因となる細菌が完全に消えてからとなります。
少なくとも抜去手術を行ってから最低4ヶ月間あけてから再挿入手術となります。
B)血が溜まる
術後皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まってしまい、腫れ上がります。
対応
血が溜まってしまった場合は、直ちに鼻の中のキズを開いて溜まった血を排出する処置をさせていただきます。
C)傷口が開く
稀に糸が外れて傷が開いてしまうことがあります。
皮膚の表面の糸は1週間、鼻の中の糸は2週間で抜糸します。
糸が抜けてしまっても傷が開くことは稀です。
しかし、傷口が引っ張られると癒着した傷が開いてしまうことがあります。
対応
糸が外れて傷が開いてしまった場合には、再縫合の処置をさせていただきます。
D)糸が出てくる
プロテーゼを縫い合わせている糸が外に出てきてしまうことがあります。
対応
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
E)鼻筋の曲がり・ズレ
術後1週間は挿入したプロテーゼや軟骨が動かないようにギプスで固定しますが、それでも曲がりやズレが起こることがあります。
対応
「曲がっている」「ずれている」等といった症状がでた場合は、直ちに修正させていただきます。
◆ガス麻酔で眠っていただいたうえで、皮膚の上からプロテーゼを押して位置を直す処置をさせていただきます。
◆それでも改善しなかった場合には、鼻の中の傷を小さく切開して、鼻筋を修正する処置を行わせていただきます。
F)鼻の穴のひきつれ・穴が左右非対称
鼻の穴の中の切開した傷が拘縮してひきつれると、鼻の穴が引っ張られ、左右差を生じることがございます。
特に再手術や感染が起きたケースでは、ひきつれも起こりやすくなります。
対応
術後半年を経過して傷跡が柔らかくなると、鼻の穴のひきつれも治まります。
それでもひきつれが残った時には、皮膚を移植する治療が必要となります。
G)鼻筋の違和感・異物感
術後異物が入ったことにより、違和感(異物感)を感じることがあります。
時間の経過と共に異物感はなくなります。
対応
どうしても異物が入っていることに抵抗がある場合は抜去いたします。
H)鼻筋の高さ・幅・長さ等の見た目の違和感
「高い」「低い」「長い」「短い」「太い」「細い」といったイメージと違う結果になることがあります。
対応
修正をご希望の場合は、傷がまだ癒着していない術後1週間以内、あるいは、炎症が落ち着いた術後4ヶ月以降にプロテーゼの入れ替え手術をさせていただきます。
I)プロテーゼの飛び出し
プロテーゼが突然飛び出すということはありません。
その前に赤く腫れるという症状があります。赤みや腫れは感染やカプセル拘縮が原因です。
そのまま放置すると鼻先や鼻筋の皮膚に穴が開いて膿が出てきます。
更に放置するとプロテーゼが飛び出してきます。プロテーゼが出てきたキズはその後傷跡を残します。
赤みや腫れといった症状が出たときは、プロテーゼが飛び出してくる前に感染を抑える薬を服用するか、プロテーゼを抜去するといった処置をすることが肝心です。
※感染が疑われる場合、すぐにご来院下さい。
対応
感染により皮膚に赤みが出た場合、そのまま放置しておくと、皮膚を突き破ってプロテーゼが飛び出す危険性がありますので、適切な処置が必要となります。
また、サイズが大きい場合も皮膚が薄くなって赤くなり、プロテーゼが飛び出す危険があります。
プロテーゼが飛び出すと、破れた皮膚は後に醜い凹みになることがあります。
お鼻に傷痕や変形を残さないために、プロテーゼが飛び出す前に治療を行うことが大切です。
抜去後の再挿入手術をご希望の場合は、感染の原因となる細菌が完全に消えてからとなります。
少なくとも抜去手術を行ってから最低4ヶ月間あけてから再挿入手術となります。
J)プロテーゼの輪郭が浮き出る
プロテーゼの周りに出来た被膜カプセルの袋に石灰沈着(骨の粒のようなものが出来る)が起きたり、皮膚が薄くなってくると、プロテーゼの形が皮膚の上から透けてみえてきます。
対応
「プロテーゼの輪郭が浮き出てきてしまった」「鼻先が白く変色してきた」といった症状に対して修正をご希望の場合は、抜去手術または入替手術が必要となります。
眉間プロテーゼのトラブル一覧
A)感染
術後治療部位に「熱感」「赤みが出る」「強い痛み」「強い腫れ」等といった状態が長引く場合には、感染が疑われます。
放置すると皮膚が破れて膿が出る、プロテーゼが飛び出す、鼻の表面が凹む等の症状がでる可能性がある為、必ず治療が必要です。
対応
感染の兆候がみられる際は、内服薬服用、抗生剤点滴投与を2週間行います。
それでも改善がみられなかった場合はプロテーゼの抜去手術が必要です。抜去後の再挿入をご希望の場合、少なくとも抜去後4ヶ月以上(感染の原因となる細菌が完全に消えてから)経過を待ってから、再挿入をさせて頂きます。
B)血が溜まる
皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まってしまい、腫れ上がります。
溜まった血をそのままにしておきますと感染やしこりの原因となります。
対応
溜まった血を排出する処置をさせて頂きます。
C)傷口が開く
稀に糸が外れたり、傷口の治りが悪く、傷口が開いてしまうことがございます。
対応
糸が外れて傷が開いてしまった場合は、再縫合の処置をさせて頂きます。
D)眉間の曲がり・ずれ
手術後1週間は挿入したプロテーゼが動かないようにギプスで固定しますが、それでも曲がりやズレが起こることがあります。
対応
曲がりやズレがみつかりましたら、出来るだけ早く修正をさせて頂きます。
その際、ガス麻酔で眠っていただいた上で、皮膚の上から押してプロテーゼの位置を直す処置をいたします。
それでも改善しなかった場合、鼻の中の傷を小さく切開して、プロテーゼと周囲の組織との癒着は剥離して、プロテーゼのゆがみを修正する処置を行わせて頂きます。
E)プロテーゼの折れ曲がり
プロテーゼの端、特に上の先端部分が折れ曲がってしまうことがあります。外見はほぼ問題ありませんが、触ると段差を感じることがあります。
対応
プロテーゼの折れ曲がりを修正するには、眉毛の所を1cm位切開して折れ曲がった部分をひき伸ばします。
F)鼻の穴のひきつれ・穴が左右非対称
鼻の穴の中の切開した傷が拘縮し、ひきつれると、鼻の穴が引っ張られ、左右差を生じることがあります。
特に再手術や感染が起きたケースでは、ひきつれが起こりやすくなります。
対応
術後半年程経過して、傷跡が柔らかくなると、鼻の穴のひきつれによる左右差は治まってきます。
それでもひきつれが残った時には、皮膚を移植する治療をすることによって、ひきつれを軽減することができます。
皮膚移植をしても、完全にひきつれがなくならないことがありますことをご了承下さい。
G)眉間の異物感
プロテーゼが入ったことにより異物感を感じることがございます。
対応
時間の経過と共に異物感はなくなりますが、どうしても異物が入っていることに抵抗がある場合は抜去いたします。
H)眉間の高さ、幅の見た目の違和感
「高い」「低い」「太い」といった、イメージと違う結果になることがあります。
対応
術後4ヶ月経過しても高さや太さ等に不満があると感じた場合には、抜去または入替手術が可能です。
I)プロテーゼが出てくる
稀に、プロテーゼを縫い合わせている糸が出てくることがあります。
プロテーゼが一旦出てきてしまうと、そのまま放置し経過をみても、傷がふさがり治る事はありませんので、早急にプロテーゼを抜去する必要があります。
対応
プロテーゼ抜去後、再挿入手術をご希望の場合は、少なくとも抜去後4ヶ月以上(感染の原因となる細菌が完全に消えてから)お待ちいただいてからとなります。
※皮膚が破れて、プロテーゼが露出してしまった場合、処置後も皮膚には傷跡が残ります。
傷跡はケロイドのように盛り上がってひきつれることもございますし、反対に凹みになることもございます。
出来れば、皮膚が破れる前にゴアテックスを抜去するといった治療を受けて頂く事をお勧めします。
その為、化膿や赤み等、感染の兆候が出た場合には、早めに当院までご連絡下さい。
J)糸が出てくる
プロテーゼを縫い合わせている糸が外に出てきてしまうことがあります。
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。
対応
プロテーゼを縫い合わせている糸が出てきてしまった場合、放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
K)ゴアテックスの輪郭が浮き出る
シリコンプロテーゼに比べると確率は低いのですが、皮膚が薄くなってくるとゴアテックスの形が皮膚の上から透けて見えることがあります。
対応
輪郭が浮き出てきた場合には、ヒアルロン酸を注入することで、ある程度プロテーゼの輪郭を隠すことができます。但し、鼻筋が幾分高くなります。
その他の対処法としまして、ゴアテックスの抜去又は入替手術がございます。
L)額のしびれ・感覚麻痺
眉間にポケットを作る操作で目から額に向かう神経がひきのばされると、額にしびれや感覚の麻痺を感じる場合があります。
対応
額にしびれや感覚の麻痺を感じる場合がありますが、通常1~6ヶ月で自然に治ります。