鼻短縮術のトラブル一覧
A)感染
手術後、皮膚の赤み・熱感・痛み・腫れが増す、また、その状態が長引く場合は感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合は内服薬の服用、抗生剤点滴投与を2週間続けて経過をみます。
膿が溜まっている場合は、鼻の中を切開して洗浄します。
B)血が溜まる
術後に鼻尖の傷の中で出血が起こって血が溜まると、鼻尖が紫色に腫れ上がります。
対応
溜まった血をそのままにしておきますと、感染や鼻尖が太くなる原因となりますので、できるだけ早く治療を受ける必要があります。
溜まった血を注射器で吸い出すか、もう一度傷を開けて排出します。
C)傷口が開く
稀に糸が外れたり、傷口の治りが悪く傷口が開いてしまうことがあります。
対応
傷口が開いてしまう場合は、もう一度傷を縫い合わせる処置を致します。
D)中縫いの糸が出てくる
中縫いの糸(皮膚の下の組織を縫い合わせる糸)が露出することがあります。
対応
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
E)鼻の穴の左右差・F)鼻尖の曲がり
左右の鼻先の軟骨を縫い合わせる時にズレが生じますと、鼻尖が左右どちらかに傾いたり、鼻の穴に左右差が起こることがあります。
オープン法よりクローズ法での手術のほうが、ズレや左右差が起こりやすくなります。
また、元々左右の軟骨の形や大きさに違いがある場合には、左右差や傾きが起こりやすくなります。
対応
わずかな左右差は避けられないことをご了承下さい。
左右差の修正をご希望の場合は、再度切開し鼻尖の軟骨を縫い直す処置をさせて頂きます。
できればオープン法での手術をお勧めします。但し、オープン法では術後に鼻柱に傷跡が残ります。
また、再手術を行っても、完全に左右差がなくならないことがありますことをご了承下さい。
G)鼻の穴が見えやすくなる
正面から鼻の穴が見えやすくなる。
対応
鼻を短くして鼻尖を持ち上げるため、正面から鼻の穴が見えやすくなるのは自然な結果ですのでご理解下さい。
H)鼻が短くなりすぎる
手術直後は鼻尖が上に向きすぎているように見えても、1週間~4週間で鼻尖がゆるんで若干下がってきますので、数ヶ月は経過をみていただくことをおすすめします。
対応
半年以上経過した後、最終的な結果がご希望より短くなってしまった場合、短縮した鼻中隔や鼻尖軟骨に耳から皮膚と軟骨を移植する方法や鼻中隔延長術によって鼻尖を長くすることは可能です。
但し手術前と同じ長さにはできないことがありますことをご了承下さい。
※短くした鼻をもう一度長くすることは大変難しいため、短縮の程度は慎重に控え目にすることをおすすめします。
I)短縮が物足りない
短縮術は術後に若干の後戻りが起こります。短くなりすぎた鼻の修正は困難なため、短縮はやりすぎないように注意して行います。最終的な短縮量がご希望より足りない結果になる場合があります。
対応
短くならなかった鼻の修正をご希望の場合、再度短縮術を行わせていただきます。状態によっては初回手術とは異なる方法をおすすめすることがあります。
J)鼻尖が丸くなる・太くなる
鼻尖が持ち上がって短くなりますと、鼻尖の皮膚が余るため鼻尖が太くなったり丸くなったりします。
術後のむくみや剥離によってできた瘢痕組織が原因になることもあります。
対応
術後3週間以降からステロイドを鼻尖に注射することでむくみや瘢痕を縮小させます。
◆ステロイド(ケナコルト)注射
※効果がでるまで数回注射をくり返すこともあります。
ステロイドの副作用として、ふくらみが凹みすぎることがあります。また注射を何回もくり返しますと、皮膚に毛細血管が浮き出て赤アザのようになることがあります。
半年程経過をみても鼻尖の太さが気になる場合は、ご希望であれば修正手術をさせて頂くことは可能です。
K)鼻尖の高さが物足りない
鼻尖を上向きに変えても、鼻尖が前方に高くなることはありません。
短縮術だけを行った場合には術後に鼻尖が低くなったと感じることがあります。
対応
鼻尖の高さが物足りない場合には、鼻尖に軟骨を移植することによって鼻尖をツンと尖らせることが可能です。
この記事は、
ヴェリテクリニック理事長
福田慶三医師が監修しました。
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