この記事の監修
三苫 医師
ヴェリテクリニック 医師
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- 「顔のシミ取りはレーザーでできる?」
- 「顔のシミを消す方法って?そもそもシミって取れるの?」
顔のシミ取りをしたいけれど、世の中にはたくさんのシミ治療があってどれがいいのか分からないという方も多いですよね。
そこで今回は、シミの種類ごとの対策方法やシミを取る方法を徹底解説していきます。
「顔のシミをとりたいけれど、自分に合った方法が分からない」「肌のシミ取りってリスクはないの?」といった疑問も解消できるよう詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シミの原因とメカニズム
まずはシミの原因とメカニズムについて、解説していきます。
シミは、紫外線や刺激によってメラニンが過剰に生成されることが原因。
通常であればこのメラニンは一定の期間で排出されますが、肌の生まれかわりの周期【ターンオーバー】が乱れると排出されずに蓄積されてしまうことがあります。
たとえば紫外線などにより肌にダメージが蓄積されていると、皮膚の細胞を再生する力やメラニンを排出する力が低下します。
また不規則な生活により、肌のターンオーバーが遅れることもあります。
この排出が遅れたメラニンが、シミとして肌に沈着してしまうのです。
つまりシミを防ぐためにはメラニンの過剰生成を防ぎ、肌のターンオーバーを正常に保つことが大切。
ただしシミの種類によって、対策方法は少し違ってきます。
消したいシミの種類と対策方法
ここからはシミの種類と対策方法を解説していきます。
代表的なシミには、下記のようなものがあります。
シミの種類 | 特徴 | 対策 |
---|---|---|
老人性色素斑 ▼解説を見る | 境界線がハッキリしているシミ | ・紫外線対策 ・保湿ケアと角質ケア ・ビタミンやアミノ酸を摂る |
肝斑 ▼解説を見る | モヤモヤとした形のシミ | ・紫外線対策 ・摩擦を避ける ・保湿ケア |
そばかす ▼解説を見る | 幼少期~思春期に目立つシミ | ・紫外線対策 |
炎症後色素沈着 ▼解説を見る | 炎症後にできるシミ | ・炎症を早く治す ・美白ケアと角質ケア |
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) ▼解説を見る | 20代前後にできるアザの1種 | ・紫外線対策 |
それぞれのシミの特徴と対策方法について、詳しく解説していきます。
シミの種類と対策①老人性色素斑
老人性色素班は、一般的に「シミ」と呼ばれるものです。
境界線がハッキリとしたシミで、下記のような特徴があります。
老人性色素班の特徴
色 | シミの形 | シミができる部位 |
---|---|---|
・薄褐色 ・茶色 | ・丸みがある ・境界線がハッキリしている | ・顔や体 |
「老人性」という名前が使われていますが30代から出現する人も多く、早い人だと20代から発生することも。
老人性色素班の対策には、下記のようなことが有効です。
- 日焼け止めを塗る
- 保湿&角質ケアをする
- ビタミンやアミノ酸を積極的に摂る
老人性色素班の主な原因は紫外線であるため、日焼け止めなどでUV対策を徹底しましょう。
またシミの原因であるメラニンの排出には、肌のターンオーバーを正常に保つことが大切です。
そのため、保湿と角質ケアで肌のターンオーバーが遅れるのを防ぎましょう。
またビタミンやアミノ酸を摂取することも肌のターンオーバーを体の内側から促すことに繋がります。
とくに「ビタミンC」やアミノ酸の1種「L-システイン」は、肌のターンオーバーを体の内側から整えるうえで有効な成分なので、サプリメントなどで取り入れてみるのもいいでしょう。
シミの種類と対策②肝斑
肝斑は30代頃から発生することが多いシミで、下記のような特徴があります。
肝斑の特徴
色 | シミの形 | シミができる部位 |
---|---|---|
・薄褐色 ・濃い褐色 | ・モヤモヤとした形 ・境界線がハッキリしないシミ | ・頬や頬骨上 ・左右対称にできる |
肝斑は老人性色素班と違い、形がぼんやりとしたシミであることが特徴。
肝斑ができる原因はハッキリとはわかっていませんが、30代前後に発生する人が多いことからホルモンバランスが関係している可能性が高いと考えられています。
肝斑の対策としては、下記のようなものがあります。
- 紫外線対策をする
- 摩擦に気をつける
- 保湿を念入りにする
肝斑は紫外線を受けると悪化し、濃くなります。
できれば日焼け止めだけでなく、日傘なども活用して紫外線対策をするのがおすすめです。
さらに摩擦でもメラニンが過剰生成され、肝斑の悪化に繋がるので、洗顔やスキンケア時も含めて摩擦に注意しましょう。
また保湿ケアを念入りに行うことで肌のバリア機能を高められるので、紫外線や摩擦といった刺激の影響を受けにくい肌へ整えることができます。
シミの種類と対策③そばかす
そばかすは、遺伝的な要因で発生することが多いです。
老人性色素班や肝斑との違いは、発生する年齢が幼少期であること。
個人差はありますが幼少期から思春期にかけて目立ち、大人になると薄くなる人が多いです。
そばかすの特徴
色 | シミの形 | シミができる部位 |
---|---|---|
・茶色 | ・小さな粒のような形 | ・鼻や頬 ・肩や腕にできることもある |
そばかすは鼻や頬だけでなく、肩や腕といった体に発生することもあります。
また遺伝的な要因が強いそばかすですが、紫外線対策で悪化を防ぐことができるので下記のような対策をしてみましょう。
- 季節を問わず、日焼け止めを塗る
- 春~夏は日傘もつかう
そばかすは紫外線の強い春~夏に濃くなる傾向があるため、その時期はとくに紫外線対策をしっかり行いましょう。
1年を通して日焼け止めを塗ることはもちろん、春~夏は日傘もつかって紫外線から肌を守るのがおすすめです。
シミの種類と対策④炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は、ニキビや傷などの炎症が起こった後に色素が沈着したことで起こるシミです。
半年ほどで徐々に薄くなる場合もありますが、炎症の深刻度によっては消えずにシミとして残り続けてしまうこともあります。
炎症後色素沈着の特徴
色 | シミの形 | シミができる部位 |
---|---|---|
・茶褐色 ・紫褐色 ・灰褐色 | ・炎症の形状に沿った形 | ・顔や体 |
「炎症が起こった後にできたシミ」であれば、炎症後色素沈着である可能性が高いです。
炎症をなるべく深刻化させず、早めに治すことが一番の対策と言えるでしょう。
- 炎症部位を触らない
- 美白成分の配合されたスキンケアを取り入れる
- 角質ケアのアイテムをつかう
炎症を長引かせたり繰り返さないために、炎症が起こっている部分になるべく触れないことが大切です。
また、ビタミンC誘導体などの美白成分が配合されたスキンケアも有効。
肌のターンオーバーを整えることも炎症後色素沈着の対策になるので、角質ケアのアイテムを使用するのもおすすめです。
シミの種類と対策⑤ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMは、皮膚の深い部分で起こるため「アザ」として扱われることもあるシミです。
ADMの特徴
色 | シミの形 | シミができる部位 |
---|---|---|
・褐色 ・灰褐色 ・紫褐色 | ・米粒~小豆程度のサイズ | ・頬 ・下まぶた ・おでこ ・小鼻 |
ADMの見た目は、肝斑とよく似ています。
発生する時期も20代前後からと肝斑に似ているため、肝斑かADMか判断ができない場合はクリニックで医師に診断をしてもらうのがおすすめです。
またADMは発生の原因が解明されていませんが、紫外線対策をすることでADMが濃くなったり悪化するのを予防することは可能です。
顔のシミを消す方法
ここからは、顔のシミを消す方法を解説していきます。
シミを予防・対策するのではなく、できてしまったシミを消すことはできるのでしょうか?
結論を言うと、できてしまったシミもクリニックのシミ取り治療で改善することができます。
顔のシミを消す方法
シミ取り治療の種類 | 効果的なシミの種類 |
---|---|
シミ取りレーザー ▼詳細を見る | ・老人性色素班 ・ADM |
トーニング ▼詳細を見る | ・肝斑 |
IPL光治療 ▼詳細を見る | ・炎症後色素沈着 ・そばかす |
内服・外用薬 ▼詳細を見る | ・肝斑 ・炎症後色素沈着 |
適した治療法はシミの種類によっても違うので、自分のシミに合った治療法を選ぶようにしましょう。
シミ取り治療にはリスク(ダウンタイム)がある施術もあります。
リスクも知ったうえで自分に合った治療を選ぶことが大切なので、ダウンタイムの期間も含めてチェックしてみてくださいね。
顔のシミ取り①シミ取りレーザー
シミ取りレーザーは、シミのメラニンを破壊することでシミを改善する治療です。
シミ取りレーザーの特徴
効果的なシミ | 料金相場 | 回数目安 | ダウンタイム | 痛み |
---|---|---|---|---|
・老人性色素班 ・ADM | 約5,000円~/5mm | 1,2回~ | 約7日~約10日 | ★★★ |
シミ取りレーザーは2回ほどの治療でシミを改善することが可能です。
必要な回数は個人差があるため、カウンセリング時に医師にシミ状態を診察してもらい目安回数を提示してもらうと安心ですよ。
またシミ取りレーザーで破壊されたメラニンは約7日~約10日で、かさぶたとなって剥がれ落ちます。
このダウンタイム期間中はかさぶたに保護テープを貼って過ごす必要があるので、注意しましょう。
レーザーの照射時にゴムで強めに弾かれたような痛みを感じることがあるので、痛みが不安な方はクリニックへ相談し麻酔を利用するのもおすすめです。
顔のシミ取り②トーニング
トーニングは、シミ取りレーザーよりも弱い出力でメラニンへ働きかける治療。
「肝斑」「そばかす」といったシミはシミ取りレーザーではパワーが強すぎて悪化のリスクがあるため、トーニング治療が有効です。
トーニングの特徴
効果的なシミ | 料金相場(全顔) | 回数目安 | ダウンタイム | 痛み |
---|---|---|---|---|
・肝斑 ・そばかす | 約13,000円~/1回 | 10回~ | 数時間程度 | ★★☆ |
トーニングは低い出力のレーザーでメラニンを徐々に減らしていく治療であるため、10回ほどの施術が勧められています。
回数はかかってしまいますが、レーザーによる「肌のハリ感UP」「毛穴改善」といった効果も期待できます。
気になる肝斑やそばかすを治療しながら、全体的な肌質も改善していける点もトーニングの魅力ですよ。
また、トーニングではダウンタイムとして照射部分に赤みが出ることもありますが、数時間程度でおさまります。
痛みはパチパチッとゴムで弾かれる程度の痛みで、麻酔なしでも照射が可能です。
顔のシミ取り③IPL光治療
IPL光治療は、特殊な光を照射してメラニンの排出を促す施術で、レーザーよりも肌の浅い層のシミに効果的な治療です。
シミ取り光治療の特徴
効果的なシミ | 料金相場(全顔) | 回数目安 | ダウンタイム | 痛み |
---|---|---|---|---|
・炎症後色素沈着 ・そばかす | 約18,000円~/1回 | 5回~ | 約3日~約10日 | ★☆☆ |
光治療はレーザーよりパワーが穏やかなため、5回ほどの施術を目安にしましょう。
ダウンタイムとして薄いかさぶたができることもありますが、約3日~約10日で自然に剥がれ落ちます。
痛みはレーザーに比べて少ないですが、不安な方は麻酔利用や出力の調整を相談してみましょう。
顔のシミ取り④内服・外用薬
「肝斑」や「炎症後色素沈着」は、クリニックで処方される内服薬や外用薬で改善することも可能です。
ただし、他のレーザー治療や光治療に比べて効果がゆっくりなため、根気強く治療を続けられる方に向いているといえるでしょう。
内服・外用薬の特徴
効果的なシミ | 料金相場 | 期間目安 | ダウンタイム | 痛み |
---|---|---|---|---|
・肝斑 ・炎症後色素沈着 | ・内服薬:約3,000円~/30日分 ・外用薬:4,800円~/1本 | 約3ヶ月~ | なし | なし |
内服薬や外用薬は、レーザーや光治療に比べて初期費用が抑えられることが魅力です。
ダウンタイムや痛みもないので、美容施術に抵抗がある方も始めやすいのが嬉しいですね。
また単体での治療ではなくレーザーや光治療と併用して、より効果的にシミ改善を狙うという使い方をするクリニックも多いです。
顔のシミを予防する方法
クリニックでシミ取りレーザーやトーニングなどの治療をした後も、再発を防ぐために自宅でシミ予防をしましょう。
また「新しいシミを増やしたくない」という人も、下記のようなシミ予防を試してみてください。
1つ1つ詳しく解説していきます。
紫外線対策をする
すでに解説しているとおり、シミの最大の要因は「紫外線」。
そのため紫外線から肌を守るだけでも、シミ予防に繋がります。
ただし「夏場だけ日焼け止めを塗る」「なるべく日陰を歩く」といっただけでは、十分な紫外線対策にはならないので下記のような対策を意識してみてください。
- くもりの日でも日焼け止めを塗る
- 2~3時間ごとに日焼け止めを塗りなおす
- 外出時は日傘を差す
くもりの日でもシミの原因となる紫外線は降り注いでいるので、日焼け止めを塗るようにしましょう。
秋や冬といった時期も紫外線は存在するので、油断は禁物です。
紫外線の強い夏は日焼け止めを2時間~3時間おきに塗りなおすことで、うっかり日焼けしてしまうことを防げますよ。
さらに日傘もつかうことで、よりしっかりと紫外線を防ぐことができます。
美白ケアをする
さいごに、美白ケアのスキンケアアイテムを取り入れることでシミ予防ができます。
美白ケアのスキンケアアイテムには、シミのもとになるメラニンの生成を抑えたり、排出を促す作用が期待できます。
たとえば下記のような成分が配合されたスキンケアを取り入れることで、シミ予防ができますよ。
- ビタミンC誘導体
…メラニンの生成を抑える、排出を促す - トラネキサム酸
…メラニンの生成を抑える、炎症を抑える
上記の成分は、市販の化粧水や美容液に配合されていることも多いので取り入れやすい成分です。
シミ予防は続けていくことが大切なので、無理なく続けられる価格帯のアイテムを探してみてくださいね。
まとめ
顔のシミ取りについて、シミの原因から種類、治療や予防方法まで解説しました。
今回の記事をまとめると下記のとおりです。
- 顔のシミには「老人性色素班」「肝斑」「そばかす」「炎症後色素沈着」「ADM」といった種類がある
- シミの種類によって、対策方法や治療方法が違う
- 顔のシミ取りをする方法は、レーザー治療や光治療、内服/外用薬などがある
- 顔のシミは「紫外線対策」「ターンオーバーの正常化」「美白ケア」によって予防ができる
顔のシミ取りをするには、自分のシミの種類を知ったうえで合う治療方法を選ぶことが大切。
また対策や予防をすることで、シミの悪化や再発を防ぐことができます。
自分に合った治療を受け、ホームケアとして対策・予防も行っていき理想の肌を目指しましょう。