
この記事の監修
仲宗根 医師
ヴェリテクリニック 医師
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鼻は顔の中心に位置し、顔全体の印象を大きく左右する重要なパーツです。そのため、鼻にコンプレックスを抱える方も少なくありません。
しかし一言で鼻といっても、細かく部位が分かれているため、具体的に自分がどの部分に悩みを持っているのか明確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、鼻の部位について詳しく解説します。それぞれの部位に多い悩みや、その悩みを解消するための美容整形についても紹介しますので、鼻に関する悩みを持つ方や、鼻の美容整形を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
理想的な鼻のバランスとは?

理想的な鼻のバランスについて解説します。顔全体の調和を考えた際に、どのような基準があるのか具体的に見ていきましょう。
大きさの比率
バランスが良い鼻とは、全体的な大きさの比率が大切です。
具体的には、額、鼻、顎の縦の長さが1:1:1の比率で均等に見えることが理想とされています。
また、鼻翼の横幅が目と目の間の距離とほぼ一致することで、顔全体のバランスが整い、美しい印象を与えます。
これらの大きさの比率を満たすことで、全体的に自然で調和の取れたバランスの良い鼻になります。
鼻筋と鼻先の形状
鼻の印象は、鼻筋と鼻先の形状によっても大きく変わります。
理想的な鼻筋は、横から見たときにスッキリとした直線、または柔らかい「ノ」の字型を描くのが特徴です。
鼻先は、適度に尖っており、さらに小鼻よりも鼻柱が少し下に位置している、いわゆるACRが整っていることが美しさのポイントです。
この条件が整うことで、上品で美しい印象を与えることができます。
横顔のバランス
鼻は立体的なパーツであるため、正面だけでなく横顔のバランスも非常に重要です。
横顔の美しさを測る基準として、Eライン(エステティックライン)がよく使われます。これは、鼻先と顎先を結ぶラインのことです。
このライン上に口元が程よく収まっていると、横顔が整い、全体的な顔立ちが美しく見えます。鼻先の高さや形状が、このEラインの形成に大きく影響を与えます。
鼻の部位を詳しくチェック

鼻は複数の部位で構成されており、それぞれ名称や構造が異なります。
また美容整形においては、日常的に使われる言葉とは異なる専門用語が用いられることが多く、これらを正しく理解しておくことが大切です。
自分の鼻の悩みを正確に把握するためにも、鼻の各部位について詳しく見ていきましょう。
鼻根(びこん)
鼻根は、鼻の付け根で両目の間に位置する部分です。
鼻根が低い場合、顔全体が平面的でのっぺりとした印象を与えることが多く、どことなく幼い印象に見られがちです。
一方で、適度に高さのある鼻根は、顔の立体感を強調し、洗練された印象をもたらします。
鼻背(びはい)
鼻背とは、一般的に「鼻筋」として知られている部分です。
鼻根から鼻先に向かって伸びる直線を指し、この部分の形状や高さが顔の側面から見た印象に大きな影響を与えます。
一般的に「鼻が低い」とは、この鼻背の高さが足りないことを指していることが多いです。
鼻背がスッと高く通っていると、横顔や正面の印象が美しく整います。
鼻尖(びせん)
鼻尖とは、鼻の最も先端部分を指し、一般的には「鼻先」と呼ばれる部分です。
鼻尖は顔の中央に位置するため、顔全体の印象に影響を与えやすい部位でもあります。
特に、日本人を含むアジア人の鼻尖部は、低くて丸みを帯びた形であることが多く、柔らかく優しい印象を与える一方で、洗練された雰囲気を作りにくい特徴があります。
鼻翼(びよく)
鼻翼は、一般的に「小鼻」と呼ばれる部分で、鼻の穴の外側に位置する部位です。
この部分には硬い骨がなく、主に鼻翼軟骨と呼ばれる軟骨で形が形成されています。
鼻翼は、鼻の穴の大きさにも影響しており、顔全体のバランスにも関係する重要なパーツです。
鼻柱(びちゅう)
鼻柱は、左右の鼻の穴の間に位置する壁のような部分で、鼻先を支える柱のような役割を果たします。
鼻柱は鼻全体のプロポーションや角度を決定する重要な部位であり、特に鼻柱の位置が鼻先の形状や全体的な美しさを左右します。
具体的には、鼻柱の位置が鼻翼よりも適度に下にあると、鼻の穴が目立ちにくく、過度な存在感のない美しい鼻と見られます。
よくある鼻の悩み

ここからは、多くの人が抱える鼻に関する代表的な悩みを取り上げます。
それぞれの特徴と原因を理解することで、解決方法を見つけるためのヒントになりますので、ぜひチェックしてください。
鼻筋が低い
鼻筋が低いという悩みは、日本人に特によく見られる特徴です。鼻筋が低いと、顔全体に立体感が欠け、平面的でのっぺりとした印象を与えることがあります。
特に、正面からよりも側面から見たときに、横顔が直線的で平坦に見えることが多く、これをコンプレックスに感じる人も少なくありません。
適度に高さのある鼻筋は顔にメリハリを与え、洗練された印象を作ります。
鼻先が丸い
鼻先の丸さ、いわゆる団子鼻も、日本人に多い鼻の悩みの一つです。
鼻先の丸さは、鼻翼軟骨が柔らかく、皮膚が厚いというアジア人特有の特徴によって形成されています。
それにより、ぼやっとした丸い鼻先になり、子供っぽい印象を与えることが多いです。
一方、西洋人は鼻翼軟骨が硬く皮膚が薄いことで、シャープで尖った鼻先を形成しており、このような鼻先になりたいと考える方が多い傾向にあります。
小鼻が大きい
小鼻が大きいと、顔全体に占める鼻の割合が大きくなり、鼻の印象が強くなります。
理想的な小鼻の幅は、目と目の間の距離とほぼ同じとされていますが、小鼻がそれよりも広い場合、鼻の穴が目立ちやすくなり、鼻の存在感が強調され、顔全体のバランスにも影響を与えます。
一方で、小鼻の大きさを調整することで顔の印象を劇的に変えることができるため、多くの人が改善を希望する部位でもあります。
鼻筋が出っ張っている
鼻筋が出っ張っている形状は、「鷲鼻」や「段鼻」といった名前で呼ばれることがあります。
「鷲鼻」は鷲のくちばしのように鼻筋が前方に滑らかなカーブを描いている形状を指し、「段鼻」は鼻筋にくっきりと段差がある状態を指します。
このような鼻筋の出っ張りは、「ハンプ」と呼ばれる鼻骨や鼻軟骨が前方に突出していることが原因です。
鷲鼻や段鼻は、クールで大人っぽい印象を与える一方で、女性的な柔らかいイメージを求める場合にはコンプレックスになることもあります。
鼻筋を高くする鼻整形(鼻根・鼻背)
鼻筋を高くする整形には、メスを用いる施術や手軽なプチ整形など、さまざまな方法があり、それぞれ特徴が異なります。
ここからは、鼻筋を高くする具体的な美容整形について詳しく解説します。
隆鼻術(鼻プロテーゼ)

担当医:積山 真也
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
隆鼻術+眉間プロテーゼ挿入術(オーダープロテーゼ) | 7700,000円 |
感染、血が溜まる、傷口が開くなど |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
隆鼻術は、鼻筋にシリコン製のプロテーゼを挿入して高さを出し、鼻全体の形を整える施術です。
鼻筋が高くなることで、顔全体が引き締まった印象になります。また、顔に立体感が生まれることで小顔効果も期待できるため、顔全体のバランスを整えたい人におすすめです。
シリコン製のプロテーゼは吸収の心配がなく、半永久的な効果があるため、定期的なメンテナンスの必要がないのもメリットです。
ヒアルロン酸

担当医:崔 乘奎
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
1本注入(ヒアルロン酸) | 66,000円(余った場合は残量を半年保管) |
アレルギーをおこす、皮膚の壊死、皮膚の壊死など |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
ヒアルロン酸という体内にも存在する安全なゲル状の物質を注入することで、鼻筋を高くする方法もあります。
メスは用いずに注射器を使用するため、5分程度という短時間で施術が完了するのが特徴で、さらにダウンタイムがほとんどなく、日常生活に支障をきたさない点も魅力です。
ただし、ヒアルロン酸は体内に徐々に吸収されるため、効果は永久ではありません。
効果を維持するためには定期的なメンテナンスが必要となりますが、ヒアルロン酸を注入し続けると、徐々にヒアルロン酸が広がり鼻筋が太くなるというデメリットもあります。
そのため、結婚式などのイベント前や、隆鼻術を行う前のシミュレーションなど、一時的な効果として活用するのがおすすめです。
鼻中隔延長術

担当医:積山 真也
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
鼻中隔延長術+肋軟骨移植術 | 990,000円 |
感染、アレルギー反応、血が溜まるなど |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
鼻中隔延長術は、鼻先に高さや長さを加えるために行う施術です。
肋軟骨や耳介軟骨などの自己軟骨を移植することで、鼻先を理想的な高さやバランスに近づけます。
鼻中隔延長術は、鼻筋から鼻先までを一体的に整えるために、隆鼻術と併用して行われることも多いです。
また、鼻先の角度も調整できるため、シャープで洗練された印象を作りたい方におすすめです。さらに、上向きの鼻や短い鼻を改善することも可能で、顔全体の印象を大きく変える効果が期待できます。
丸い鼻や団子鼻を解消する鼻整形(鼻尖)
丸みのある団子鼻や大きく幅のある鼻先は、子供っぽい印象を与える特徴の一つです。
ここからは、丸い鼻や団子鼻を解消するための主な2つの美容整形について詳しく解説します。
鼻尖縮小術

担当医: 積山 真也
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
鼻尖縮小術 | 330,000円 |
感染、血が溜まる、傷跡の盛り上がりなど | |
鼻翼縮小術(内・外・上のうち2箇所) | 495,000円 |
感染、鼻の穴の左右差、小鼻の引きつれ感など | |
鼻翼挙上術 | 330,000円 |
感染、傷跡の盛り上がり、傷跡の段差・凹みなど |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
鼻尖縮小術は、丸みのある団子鼻や幅の広い鼻先を細く整えるための施術です。
鼻先の皮下脂肪や余分な組織を切除した後、鼻翼軟骨を左右から寄せて縫い合わせます。それにより、鼻先の丸さが軽減され、シャープな鼻先が形成されます。
鼻先がシュっと細くなることで、子供っぽさや、ぼやっとした印象が和らぎ、スマートで洗練された顔立ちを目指すことができます。
ただし、鼻尖縮小術は鼻尖の細さを追求するもので、高さを出す効果はありません。そのため、高さも同時に求める場合は、鼻尖形成術との併用や鼻中隔延長術が適しています。
鼻尖形成術
鼻尖形成術は、鼻先を細くするだけでなく、高さを出すことも可能な施術です。
耳の軟骨を鼻先に移植することで、鼻の形状をツンと上向きのアップノーズにしたり、斜め下に尖ったシャープな形状にするなど、希望する仕上がりに合わせた調整が可能です。
鼻先に高さが出ることで、より華やかで洗練された印象になりますが、どの程度の量の軟骨を移植できるかは、皮膚の状態によって異なるため、事前のシミュレーションが重要です。
小鼻を小さくする鼻整形(鼻翼)
小鼻の広がりが顔全体のバランスを崩している場合、小鼻を適度に小さくすることで顔の印象を大きく改善することができます。
ここからは、小鼻の幅を狭める鼻翼縮小術について詳しく解説します。
鼻翼縮小術

担当医: 福田 慶三
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
鼻翼縮小(内・外・上) | 660,000円 |
感染、鼻の穴の左右差、小鼻の引きつれ感など | |
鼻尖縮小術 | 330,000円 |
感染、血が溜まる、傷跡の盛り上がりなど |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
鼻翼縮小術は、広がった小鼻の余分な組織を切除し、鼻翼全体の幅を狭める施術です。
鼻翼が小さくなることで、鼻の穴が目立たなくなり、鼻自体の存在感が控えめになります。また、鼻の幅が整うことで、顔全体が引き締まった印象を与える効果も期待できます。
なお、一言で「鼻翼が大きい」といっても、どの部分が張り出しているかは人それぞれ異なります。
そのため、患者一人ひとりの小鼻の形状や希望に応じて、鼻翼の外側部分を切開する「外側法」、内側部分を切開する「内側法」、またはその両方を組み合わせた方法を行います。
鷲鼻や段鼻を改善する鼻整形(鼻根・鼻背)
鷲鼻や段鼻といった鼻筋の盛り上がりを改善するには、わし鼻形成(鷲鼻修正)が有効です。
わし鼻形成の特徴や施術方法について詳しく見ていきましょう。
わし鼻形成(鷲鼻修正)

担当医: 森島 容子
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
隆鼻術(オーダープロテーゼ) | 440,000円 |
感染、血が溜まる、傷口が開くなど | |
わし鼻形成術 | 660,000円 |
感染、血が溜まる、傷口が開くなど | |
鼻骨骨切り幅寄せ術 | 660,000円 |
感染、血が溜まる、傷口が開くなど | |
鼻中隔延長術+肋軟骨移植術 | 990,000円 |
感染、血が溜まる、アレルギー反応など |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
わし鼻形成(鷲鼻修正)は、鼻筋の中央部分にある「ハンプ」と呼ばれる盛り上がりを滑らかなラインに整える施術です。
鼻筋の突出した骨や軟骨を、ノミや超音波骨切り機を使って削り、まっすぐな鼻筋に仕上げます。
これにより、ゴツゴツとした印象を与える鷲鼻や段鼻が改善され、顔全体が柔らかい印象になります。
軽度の鷲鼻の場合や、骨や軟骨を削る外科的手術に抵抗がある場合には、ヒアルロン酸やプロテーゼを用いた方法も選択肢のひとつです。
この方法では、ハンプの上下に注入物を挿入してラインを整え、相対的に鷲鼻を目立たなくさせる効果が期待できます。
まとめ
今回は鼻の部位について解説しました。本記事のポイントは次のとおりです。
- 鼻には、鼻根や鼻背、鼻尖などさまざまな部位の名称がある
- 理想的は鼻は、大きさの比率や鼻筋と鼻先の形状、横顔のバランスが整っている
- 日本人は鼻筋の低さや鼻先の丸さ、小鼻の大きさに悩んでいる人が多い
- 鼻のコンプレックスを解消するには悩みに応じた美容整形を選択する
鼻は顔の印象を大きく左右する重要なパーツで、コンプレックスを抱える人も少なくありません。
しかし、鼻の悩みと一口に言っても、その部位や形状によって適した施術方法は異なります。
それぞれの施術には特徴やメリットがあり、自分に合った方法を選ぶことで理想的な仕上がりを目指すことができます。
ただし、美容整形にはリスクも伴うため、施術内容をしっかり理解し、納得した上で決断することが大切です。
まずは鼻整形を得意とするクリニックでカウンセリングを受け、自分の悩みや希望を医師に相談してみましょう。