この記事の監修
三苫 医師
ヴェリテクリニック 医師
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シミ取りで失敗することがあるって本当?
どうしたらシミ取りを成功できる?
近年、シミはレーザーで簡単に除去できるという認識が広まり、美容クリニックで気軽にシミ取りを行う方が増えてきました。
一方で、「レーザーでシミ取りをしたら悪化した」「逆にシミが濃くなった」という声を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
綺麗になろうと思って施術を行ったのに、逆効果となってしまっては悲しいですよね。
そこで今回は、シミ取りレーザーの失敗例について紹介します。
シミ取りで失敗しないためのポイントやダウンタイムについても紹介しますので、レーザーでシミ取りをしたいけど失敗したくないという方はぜひ参考にしてください。
編集部
その前にまずは主なシミの種類について簡単におさらいしましょう。
- 老人性色素斑
紫外線や摩擦を原因として30代頃から出現し始めるシミの代表格。薄茶色の円形で比較的はっきりした輪郭が特徴。 - そばかす
遺伝や紫外線が主な原因で、思春期をピークに徐々に薄くなる。小さな斑点が頬を中心に散らばっている。 - 肝斑
ホルモンバランスの乱れや摩擦により左右対称に出現する。輪郭がはっきりせす、もやっとした集合体であることが特徴。 - 炎症後色素沈着
ニキビや火傷の跡が色素沈着を起こし出現する。時間の経過とともにターンオーバーによって改善する場合が多い。
目次
シミ取りレーザーで失敗した・濃くなった理由
一言で「シミ取りレーザーで失敗した」と言っても、実は失敗した、またはシミが濃くなった原因は複数あります。
その原因によって、今後の経過やとるべき行動も異なりますので、まずはシミ取りが失敗する・濃くなる理由について次の4つを解説します。
レーザーが適応外
まずは、そもそも症状に対してシミ取りレーザーが適応でなかった場合です。
代表的なのが、肝斑に対してレーザーを照射してしまう例です。
肝斑はレーザーを当てると、それが刺激となりメラノサイトが活発化し逆に濃くなってしまうため、レーザーは適応外となります。
老人性色素斑と肝斑が重なって出現している場合もありますが、その場合はまずは肝斑を治療してから老人性色素斑の治療を始めることをおすすめします。
炎症後色素沈着
レーザーによる炎症後色素沈着でシミが濃くなったと感じてしまう場合もあります。
レーザーを当てることで、皮膚のバリア機能が低下し刺激を受けやすくなりますが、その状態で紫外線や摩擦を受けると、色素沈着が起こってしまいます。
炎症後色素沈着はどのような方にも起こる可能性がありますが、特に薄いシミに照射した方は「照射前よりも濃くなった」「悪化した」と感じやすくなります。
この炎症後色素沈着は一時的なもので、数週間~半年ほどで改善していきます。
照射パワー・回数不足
「悪化はしていないけど照射前と変わらなかった」「金ドブだった」という方は照射パワーや照射回数が不足している可能性があります。
理由としては施術する医師の経験や技術不足で、適切な出力で照射できていないことが考えられます。
一方で、シミの大きさや濃さによっては高出力で無理やり1回で取り切ろうとすると跡が残ってしまう可能性があるため、あえて2~3回かけて少しずつ除去する場合もあります。
一時的なダウンタイム
正常なダウンタイムの経過なのに「シミが悪化した」と勘違いしてしまう場合もあります。
シミはレーザー照射後、まず赤みが出て、2~3日経過すると徐々に赤黒くなっていき、さらに時間が経つと茶色いかさぶたになります。
直後からきれいになるわけではないため、一時的に照射前よりも目立つタイミングがある場合もありますが、かさぶたが剥がれれば綺麗な肌が出現しますので焦らず待ちましょう。
シミ取りレーザーの失敗例&予防策
続いて、シミ取りレーザーの失敗例を3つ紹介します。
このような結果を招かないための予防策についても解説していますので、シミ取りレーザーを検討されている方はぜひ参考にしてください。
シミが濃くなった
シミ取りレーザーの失敗例の代表格と言えば、施術前よりもシミが濃くなってしまうことです。
肝斑はレーザーを当てることにより悪化してしまう場合があるため、まずは自身のシミが肝斑ではないか、もしくは肝斑がベースに隠れていないか確認しましょう。
またレーザーが適応の老人性色素斑の場合でも、施術後に強い紫外線を浴びたり刺激を与えたりすると、もともとのシミより濃くなってしまう可能性もあります。
レーザー照射後は医師の指示に従い、アフターケアを怠らないようにしましょう。
照射部分が白斑化した
シミ取りレーザーの失敗例として、レーザー照射部分が白く色が抜ける、いわゆる白斑化が起きてしまう場合もあります。
原因としては、短期間で何度も同じ部位にレーザーを照射することが考えられます。
白斑化が起きてしまった場合は対処が難しくなりますので、そもそも白斑化しないよう、シミを1度で取り切れなかった場合でも、3ヶ月程度は空けてから2回目の照射を検討しましょう。
変化がなかった
シミ取りレーザーを照射したけど全く変化がなかった、というのも失敗例の1つです。
特に長年あるシミは根深くなっているため、1回では変化を実感しにくいことが多いです。
まずは経験のある医師に適切な出力で打ってもらうことを前提に、期間を空けて2~3回照射してみましょう。
シミ取りレーザーの成功例画像
続いて、シミ取りレーザーの成功例を紹介していきます。
実際に施術を受けた方の画像をもとに解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
シミにQスイッチYAGレーザーを行った例
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
QスイッチYAGレーザー | 1ショット 2,750円 |
水疱形成、色素沈着、肝斑の悪化、一時的なニキビ悪化など |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
シミにQスイッチYAGレーザーを行った例です。
施術後は頬のシミが綺麗になっているのが分かります。
このように比較的輪郭がはっきりしているシミにはQスイッチYAGレーザーが適応となる場合が多いです。
肝斑にレーザートーニングを行った例
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
レーザートーニング(肝斑部分) | 4回26,400円 |
水疱形成、色素沈着、肝斑の悪化、一時的なニキビ悪化など | |
イーロスプラス(頬のみ) | 1回16,500円 |
施術時の痛み、赤みなど | |
クールビタミントリートメント | 4回35,200円 |
施術時の痛みなど |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
肝斑にレーザートーニングを行った例です。
施術後は、肌の色が明るく均一になっています。
トーニングは弱い出力で少しずつアプローチしていく施術のため、スポットのシミ取りと比べて改善に時間がかかる傾向にあります。
信頼できるクリニックのもとで少しずつ改善させていきましょう。
そばかすに高周波&光照射を行った例
施術名 | 料金・リスク |
---|---|
イーロスプラス(頬のみ) | 1回16,500円 |
施術時の痛み、赤みなど | |
クールビタミントリートメント | 2回17,600円 |
施術時の痛みなど |
※当時の価格で現在とは異なる場合があります
そばかすに対してイーロスプラス(高周波&光照射)を行なった例です。
数回の施術でも大きな変化が見て取れますね。
失敗だと勘違いしやすいシミ取りレーザーのダウンタイムとは?
続いては失敗だと勘違いしやすいシミ取りレーザーのダウンタイムを紹介します。
正常な経過を知ることで施術後に「失敗した!」と無用な心配をせずに心穏やかにダウンタイムを過ごすことができますよ。
編集部
ぜひ事前に確認しておいてくださいね。
赤み・水ぶくれができる
レーザーの照射直後は赤みや水ぶくれが気になることがあります。
レーザーの照射によって皮膚が炎症状態となり赤みや水ぶくれが引き起こされますが、2~3日程度で徐々に収まっていくため問題ありません。
かさぶたにならない・陥没している
レーザー照射後、時間が経ってもかさぶたにならない、または患部が陥没しているということもあります。
シミ取りは照射後にかさぶたとなり、そのかさぶたが剥がれればシミが消えるというのが理想ではありますが、必ずしも全員が同じ経過となるわけではありません。
シミのタイプや出力、個人の体質によってはかさぶたができない場合もありますが、レーザーが作用していれば最終的には同様にシミが改善します。
また、使用するレーザーが炭酸ガスレーザーの場合は、シミを削り取るようにして除去するため、直後は陥没したようになることがありますが、徐々に目立たなくなります。
シミが再発する
レーザー照射後、1度はシミがなくなったけど再度シミが浮き上がってきた、という場合があります。
これは戻りジミと呼ばれるもので、除去したシミが再発したのではなく、患部が色素沈着を起こしているものです。
UV対策や摩擦に気を付けていれば、7日~半年ほどで消えていきますが、クリニックでメラニンの排出を促す成分の内服薬を処方してもらえば、改善を早めることもできます。
シミ取りレーザーで失敗しないポイント
ここまでシミ取りの失敗例やダウンタイムについて紹介してきましたが、できるならシミ取りは1回で成功させたいですよね。
ここからは、シミ取りレーザーで失敗しないためのポイントについて紹介していきますので、シミ取りを検討している方はぜひ押さえておきましょう。
シミの診断をきちんと受ける
冒頭でも触れたように、シミには様々な種類があります。
それぞれ原因や効果的な治療法が異なるため、適切な診断を受けることが重要です。
シミの種類 | 特徴 | 原因 | 適した施術方法 |
---|---|---|---|
老人性色素斑 | 30代以降に顔や手などにできる、大小様々なシミ | 紫外線 | レーザー治療:Qスイッチヤグレーザー、ピコレーザーなど 光治療:IPL 外用薬:ハイドロキノン、トラネキサム酸など |
そばかす | 幼少期から顔などにできる、小さな茶褐色の斑点 | 遺伝、紫外線 | レーザー治療:Qスイッチヤグレーザー、ピコレーザーなど 光治療:IPL 外用薬:ハイドロキノン、トラネキサム酸など |
肝斑 | 30代~50代の女性に多い、左右対称にできる茶褐色のシミ | ホルモンバランスの乱れ、紫外線 | 内服薬:トラネキサム酸、ビタミンCなど 外用薬:ハイドロキノン、コウジ酸など レーザー治療:シミの種類や症状によって適切な種類を選ぶ必要がある |
炎症後色素沈着 | ニキビや傷跡などの炎症後にできるシミ | 炎症 | 外用薬:ハイドロキノン、トラネキサム酸など レーザー治療:シミの種類や症状によって適切な種類を選ぶ必要がある |
専門医による診断に基づき、それぞれのシミに合った最適な治療法を選択することで、より効果的にシミを改善することができます。
アフターケアを行ってくれるクリニックを選ぶ
シミ取りレーザーで失敗しないために、アフターケアをしっかりと行ってくれるクリニックを選ぶことも大切です。
シミは1回の照射で完全に綺麗になるのが理想ですが、実際はそうならないケースもあります。
シミの状態や個人の体質によってはシミが再発してしまったり、跡が残ってしまう可能性があります。
その場合に、例えば半年以内であれば再照射無料であったり、跡を綺麗にする内服薬を処方してくれたり、きちんとアフターケアを行ってくれるクリニックだと安心です。
シミ取り後のケアを怠らない
シミ取りに失敗しないために、シミ取り後のケアをしっかりと行うことも重要です。
シミ取りは、医師やクリニック選びも大切ですが、照射後のセルフケアによっても結果が大きく異なる場合があります。
いくら綺麗にシミ取りができても、その後のセルフケアを怠ることで再発してしまったり、濃くなってしまったりする可能性もあります。
シミ取り後の肌は非常に敏感ですので、必ず日焼け対策を行い、摩擦を極力避けるようにしてください。
編集部
紫外線が少ない冬にシミ取りをするのもおすすめです。
シミ取りレーザーの失敗に関するQ&A
最後にシミ取りレーザーの失敗に関して、よくある質問に回答していきます。
疑問点を解消した上でシミ取りを行ってくださいね。
シミ取りレーザーは1回で効果がある?
シミ取りは適切な出力で照射すれば1回で効果を実感できる場合も多いですが、シミの大きさや濃さによって1回で取り切れない場合もあります。
特に長い年月が経っている根深いシミの場合、高出力で無理やり取ろうとすると、跡になってしまったり、ダウンタイムが長くなってしまったりする可能性があります。
その場合は、2~3回かけて少しずつ薄くしていため、シミを取り切るまでには時間がかかります。
「この日までに綺麗にしたい」という予定がある方は早めの対処をおすすめします。
シミが再発するって本当?
シミはきれいに除去したとしても再発する可能性があります。
そもそもシミは頬まわりなどの紫外線や摩擦の影響を受けやすい部分にできやすいとされています。
そのため、1度レーザーで除去したとしても、その後の日常生活でこれまでと同様に紫外線や摩擦を受け続ければ同じ箇所に再度シミができてしまう場合があります。
せっかくお金と時間をかけてシミ取りをしたのであれば、今後はシミができないようなケアを続けましょう。
シミ取りレーザーの失敗まとめ
今回は、シミ取りレーザーの失敗について解説しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- シミ取りは誤った治療方法を選択すると失敗する可能性がある
- シミ取りの主な失敗例は「濃くなる」「白斑化する」「変化がない」の3つ
- シミ取りは医師がカウンセリングをしアフターケアを行ってくれるクリニックがおすすめ
- ただし、シミ取り後は紫外線・摩擦対策などセルフケアも重要
シミ取りレーザーは気軽にシミを除去できる魅力的な施術です。
一方で、治療方法を間違えると、せっかくお金をかけたのに悪化してしまった、という悲しい結果になりかねません。
シミ取りをする際は、きちんと適切な治療方法を提案してくれる経験豊富な医師の施術を受けることをおすすめします。
またシミ取りは医師の技術だけでなくセルフケアも非常に重要となりますので、紫外線や摩擦の対策をしっかりと行って、シミのない綺麗な素肌を目指しましょう。
編集部
シミ取りレーザーが気になるという方は、まずは1度クリニックのカウンセリングで気軽に相談してみてくださいね。