
この記事の監修
三苫 医師
ヴェリテクリニック 医師
プロフィールはこちら >
糸リフト(スレッドリフト)とはたるみ治療の1つで、医療用の特殊な糸を皮下組織に挿入して物理的に皮膚を引き上げる施術です。
施術後早い段階でリフトアップ効果を得られるだけでなく、小顔効果や糸の挿入刺激でコラーゲン生成が促進されるなどの美肌効果も期待ができる魅力たっぷりな治療です。
糸リフトはメスを使わず切開しないため、傷口がほとんど目立たずダウンタイムが短いというメリットがありますが、気になるのが後悔の声です。
ネットやSNSなどで検索すると「やらなきゃよかった」「効果がなかった」という声もあり、不安な人も多いのではないでしょうか。
本記事では、失敗や後悔しないために効果がない人の特徴や「おすすめしない」と言われる理由など詳しく紹介します。
たるみ治療として「糸リフト」を検討している人は、ぜひチェックしてください。
目次
糸リフトの代表的な失敗例

糸リフトの施術を受けて「失敗した」という声が多い代表例を紹介します。
- 効果が感じられない
- 引きつれ
- 左右非対称
- 表面の凹凸
- 糸が見える
施術後「期待したリフトアップ効果を感じられなかった」という声が多くあります。
これは、患者様のたるみの度合いや皮膚状態、脂肪の量によって左右されるためで、事前のカウンセリングでしっかりと状態を確認して治療方針を決めることが重要です。
また、糸リフトの施術後に皮膚が不自然に引っ張られたり、表情が動かしにくくなったりすることがあります。
これは、挿入位置の問題や引き上げする力が強過ぎることなどが原因で、多くは2週間〜1ヶ月を経過して落ち着きますが、ひどい場合は我慢せず医師の診断を受けましょう。
「左右非対称」については、十分な経験と実績がある医師に施術してもらうことがとても重要です。
人の顔はもともと左右非対称であるため、全体のバランスを考慮しながら引き上げる必要があり、価格や気軽さだけで選ばないようにしましょう。
他にも「表面の凹凸」や「糸が見える」といったトラブルもありますが、いずれも医師の技術や判断が大きく影響します。
挿入する糸の位置が適切でなかったり引っ張る力が強すぎたり、糸の太さが適切でなかった場合に表面の凸凹が発生します。
糸が透ける場合は「糸が皮膚の浅い部分に挿入されている」「皮膚の薄さに対して糸が太い」といったことがあげられます。
挿入後に急激な体重の減少があると起こる可能性もありますが、カウンセリングを受ける前にクリニックの症例数や実績をチェックしておくといいでしょう。
糸リフトの効果が出にくい人の特徴

メスも切開も行わず美肌効果もあり人気の高い「糸リフト」ですが、全ての人に効果を発揮するわけではありません。
効果が出にくい代表的な人の特徴を紹介します。
皮下脂肪の量が多すぎる・少なすぎる
糸リフトは医療用の特別な糸を皮下脂肪に引っ掛けて固定します。
そのため、脂肪が多すぎても少なすぎても理想通りの結果が得られません。
- 脂肪が上がりきらない
- 持続期間が短くなる
- 術後の違和感や痛み
糸リフトで引き上げられる脂肪の量には限界があります。
脂肪が多すぎると糸だけでは皮下脂肪が引き上がらなかったり、引き上がっても耐えきれず持続期間が短くなったりします。
反対に、脂肪が少ない場合は糸の引き上げが不均一になりやすいため、左右差や凹凸といった違和感のある仕上がりや痛みが生じることもあります。
皮下脂肪の量は糸リフトの効果に大きな影響を与えるため、施術前に医師との十分なカウンセリングが重要です。
皮膚が硬い
脂肪の量に問題がなくても皮膚が硬すぎるとうまくいきません。
- 適切な場所に挿入されにくい
- 術後の痛みや違和感の増加
- 皮下脂肪への引っ掛かりが甘くなる
硬い皮膚は柔軟性が低く抵抗が大きいため、糸を挿入する際にスムーズに通過しづらくなります。
そのため、適切な位置への挿入が困難であったり、適切な位置に挿入できず糸の効果を十分に発揮できなくなったりします。
また、適切に挿入できたとしても硬い皮膚は引っかかりが不十分になり、期待したリフトアップ効果が得られないため、施術前の肌状態はとても重要です。
他にも肌が硬いことで挿入時に刺激を受けやすく、術後に痛みや違和感を覚えることが増える可能性もあります。
皮膚の状態や硬さは個人差があり自己判断が難しいため、カウンセリングで肌状態や糸リフトに適した状態か確認して施術を受けるようにしましょう。
たるみが強い(進行しすぎている)
脂肪量や皮膚の状態以外にも、たるみの進行度合いによって糸リフトが向かない場合があります。
- 皮膚の余剰が多すぎる
- 引き上げ力の不足
- 不自然な仕上がり
皮膚がたるんだ結果、カーテンの「ヒダ」のようになるほど進行すると、糸リフトで引き上げても皮膚が余ってしまい満足な効果が得られなくなります。
また、たるみの量が多すぎると糸リフトだけでは引き上げきれず不十分な結果につながるため注意が必要です。
たるみが強い場合、無理に糸リフトで引き上げようとすると「顔の引きつれ」「左右差」などの不自然な仕上がりにつながりますので医師への十分な相談が不可欠です。
進行度によって脂肪吸引との組み合わせ治療や切開リフトなどの強力な施術が適している場合があるため、カウンセリングでしっかり判断してもらいましょう。
「糸リフトはおすすめしない」と言われる理由

糸リフトは、皮膚を切開せずにたるみを改善する施術として人気がありますが、「おすすめしない」という声も多く聞きます。
以下にその主な理由を詳しく説明します。
コストパフォーマンスが低い
1つ目の理由はコストパフォーマンスが低い(費用対効果が悪い)点です。
- 必要な本数によって総額が高くなる
- 強いたるみには効果が薄い
- 副作用やリスク
糸リフトの施術費用は、1本あたり数万円から十数万円程度です。
必要本数は人によって異なりますが、片側1本(両側合計2本)だけで理想の状態になることはほとんどありません。
平均的な挿入本数は片側で3~6本程度(両側合計6~12本程度)で、ある程度の金額が必要になります。
また、たるみが進行している場合には糸リフトだけでは引き上げきれず、満足のいく結果が得られないことがあり、「金ドブ」といった後悔の声につながります。
他にも、糸リフトはメスや切開を伴わないためダウンタイムが少ないとされていますが、副作用やリスクが全くないわけではありません。
腫れや内出血、糸が透けるといったことや肌の表面に凹凸ができるなどのリスクがあります。
持続期間が短く、数ヶ月で効果が切れる
2つ目の理由は持続期間の短さです。
- 持続期間に限りがある
- 老化による皮膚の弾力性が低下
糸リフトで引き上げた皮膚は永久的に固定されるわけではなく、時間経過とともに物理的な引き上げ効果が失われ、リフトアップ効果が薄くなります。
糸リフトで使用される素材は大きく分けて2つあります。
糸の種類 | 特徴 |
---|---|
溶ける糸 | ・数ヶ月〜最大2年ほど持続 ・体内で吸収される ・施術後に取り除く必要がない ・美肌効果も期待できる |
溶けない糸 | ・約3年程度持続 ・体内で吸収されない ・強度が高くリフトアップ力が高い ・外科手術の縫合にも使用される素材 |
肌やたるみの状態、理想に合わせて適切な糸を選択します。
ヴェリテクリニックで取り扱っている糸リフトの素材、施術名と持続期間の目安を下記に紹介しますので、参考にしてくださいね。
- PDO(ポリジオキサノン)
- PCL(ポリカプロラクトン)
PDO(ポリジオキサノン)は、軽度のリフトアップ向けの溶ける糸です。
リフトアップ以外の効果として、細かいシワの改善や肌の引き締め、美肌効果などがあります。
6ヶ月から1年ほどで体内に吸収される糸で、吸収がはやく短期間で効果が現れますが持続期間は比較的短めです。
PCL(ポリカプロラクトン)は、柔軟性が高くリフトアップ効果が高い溶ける糸です。
動きの多い口元や目元のリフトアップにも使いやすく、肌質改善の効果があります。
1年ほどで体内に吸収される糸で、PDOに比べて持続期間は長いです。
ヴェリテクリニック糸リフト施術一覧
施術名 | 素材 | 持続期間 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
テスリフト | PDO | 1年~2年 | ・高いリフトアップ効果が期待できる |
コグリフト | PCL | 数ヶ月~1年 | ・360度トゲのついた特殊な糸でたるみを改善 ・自然な仕上がりが特徴的 |
リードファインリフト | PDO | 1〜2年 | ・シワの改善や肌の引き締め ・美肌効果が期待できる |
BNLS 3D メッシュ糸* | PCL | 1〜2年 | ・3Dメッシュの糸とコグリフトを組み合わせた糸 |
スプリングアプトス | PP | 約3年 | ・高いリフトアップ効果が期待できる |
糸の種類によって持続時間は異なりますが、一定の状態をキープしたい場合は定期的なメンテナンスが必要です。
そのため、費用面も1回ごとの費用だけでなく長期的な計画も含めて、カウンセリングで相談するようにしましょう。
また、年齢とともに低下する皮膚の弾力や柔軟性も持続期間を短くします。
糸リフトは皮膚を物理的に引き上げることで一時的な効果をもたらしますが、年齢とともに皮膚自体の弾力性やコラーゲンの生成能力が低下すると、持続力に影響を与えます。
肌やたるみの状態によっては他の治療が適している場合もありますので、後悔しないためにもカウンセリングでしっかりと判断してもらうことが大切です。
他にも、ダウンタイム中に過度な運動やマッサージをしたり患部に触れたりなど、過ごし方によって持続期間を短くしますので注意してください。
強い効果を感じたい方にピッタリの美容整形

「たるみが強い」「効果を長期間キープしたい」という場合は、糸リフト以外の施術も検討してみましょう。
フェイスリフト(切開リフト)
メスを使ったフェイスリフト(切開リフト)には、いくつか種類があります。
代表的なものを紹介します。
切開リフトの種類 | 特徴 |
---|---|
リガメントリフト | ・顔面のリガメント(靭帯)から引き上げ ・持続的な効果が高く期待できる ・たるみを効果的に改善 ・リガメントを切り離し、再固定する |
SMASリフト | ・たるみの原因(SMAS)から引き上げる ・SMASから引き上げるため効果的 ・広範囲のリフトアップが可能 ・ダウンタイムが長め |
MACSリフト (ミニ切開リフト) | ・耳の前やこめかみ部分を切開し、皮膚とSMAS*を引き上げる ・フルフェイスリフトに比べて持続期間は短い |
High SMASリフト | ・中顔面と下顔面を同時に引き上げる ・SMAS*から引き上げ長期的な効果が見込める ・ほうれい線や首のたるみ治療も可能 ・顔面神経に触れるリスクが高い |
Extended Deep Plane Facelif | ・欧米で人気のある手法 ・広範囲のたるみを一度に解消 ・顔の皮膚、脂肪組織、SMASを一気に引き上げる ・顔面神経に触れるリスクが高い |
ヴェリテクリニックでは「リガメントリフト」を採用しています。
この手法は皮膚や筋膜だけを引き上げるのではなく、皮膚を顔面の骨に強固に固定しているリガメント(靭帯)も同時に引き上げるため、高い持続期間と強力なリフトアップができます。

また、リガメント(靭帯)から引き上げることで皮膚の可動域も広がり柔軟なリフトアップができるのも特徴です。
対象部位はフェイスラインのたるみに限らず、おでこや眉毛、まぶたのたるみにも可能です。
- スッキリしたフェイスラインになりたい
- 小顔になりたい
- 明確な効果を感じたい
- 額のしわやたるみ引き上げて明るい印象になりたい
- 眉毛やまぶたの下がりを解消したい
切開リフトは皮膚にメスを入れるため傷ができますが、傷を耳の溝に一致させるようにするなど目立たず自然な仕上がりになるよう施術しています。
たるみにより老けた印象や重たく暗い印象に悩んだら、お気軽にご相談ください。
脂肪吸引と糸リフトを併用する
「たるみは強いけど、フェイスリフト(切開リフト)は避けたい」という人には、脂肪吸引と糸リフトの併用が効果的です。
脂肪吸引で余分な脂肪を取り除くことで皮下脂肪が適切な量になるため、糸リフトの効果や持続力が上がり引き締まった印象を継続できます。
切開リフトと同様、脂肪吸引にも複数の方法があります。
代表的なものは以下です。
脂肪吸引の方法 | 特徴 |
---|---|
カニューレ(細い管) | ・細い管(カニューレ)で脂肪を吸引 ・特定の部位に蓄積された脂肪を直接取り除ける |
シリンジ法 | ・注射器型の吸引器で脂肪を吸引 ・先が細いためより精密な吸引が可能 |
ベイザー脂肪吸引 | ・超音波で脂肪を液状化してから吸引 ・周囲の組織への影響が少ない |
クリスクロス法 | ・カニューレで複数の方向から脂肪を吸引 ・複数方向から吸引するため取り残しを防止 |
ヴェリテクリニックではカニューレを使った独自のマルチプル・レイヤー・リポサクション(MLL)で施術します。
ヴェリテクリニックでは、細い管(カニューレ)を使って脂肪を吸引します。

独自の「マルチプル・レイヤー・リポサクション(MLL)」では、下記のように、「1.表層」「2.中間層」「3.深層」の3層に分けて吸引します。
1箇所から集中的に吸引するだけでなく、各層から目的に応じた脂肪を均等に取り除くことで術後の凸凹を軽減し滑らかなラインに仕上げます。

挿入部分は非常に目立ちにくい箇所で行い、直後は一時的に蚊に刺され程度の赤みが生じますが時間とともに自然になじんでいきます。
- はっきりとした効果を感じたい
- 顔のサイズダウン+たるみ改善をしたい
- 糸リフトの効果を長持ちさせたい
- 自然で凹凸のない仕上がりにしたい
- 効率よく体の負担が少ない
ヴェリテクリニックの「脂肪吸引+糸リフト」の組み合わせは、小顔や美しいフェイスラインだけでなく凹凸のない滑らかな仕上がりで、一人ひとりの美しさを引き出します。
「切開リフトには抵抗がある」という人は、お気軽に相談してください。
まとめ

糸リフトの代表的な失敗例や効果が出にくい人の傾向、他のたるみ治療まで紹介しました。
メスを使わず切開もしない糸リフトはとても魅力的な施術ですが、すべての人にピッタリ合う治療ではありません。
- 脂肪の量
- 皮膚の状態
- たるみの強さ
などによって、糸リフト以外の治療の方が適応する可能性があります。
どの治療が適切かは自己判断では難しいため、まずはカウンセリングで現在の肌状態を診断、悩みや理想の状態をしっかり共有することが重要です。
ヴェリテクリニックは、不満や不安を解消し一人ひとりに合った治療をご提案できるよう幅広い施術を用意しています。
「たるみやほうれい線が気になる」「糸リフトの施術を受けたいけど不安」という人は、お気軽にカウンセリングへお越しください。