この記事の監修
三苫 医師
ヴェリテクリニック 医師
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シミ取りは皮膚科でもできるって本当?
皮膚科と美容外科・美容皮膚科どっちが良い?
シミ取りは美容外科や美容皮膚科で行うイメージがありますが、一般診療を行う皮膚科でもできると聞いたことがありませんか?
もし皮膚科でシミ取りができれば、保険で安く済ませられて魅力的ですよね。
しかし皮膚科のシミ取りと美容外科・美容皮膚科のシミ取りは何が違うのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、皮膚科と美容外科・美容皮膚科、それぞれのシミ治療の違いについて解説します。
この記事を読めば皮膚科と美容外科・美容皮膚科どちらでシミ取りを行うべきかが分かりますので、できるだけ費用を抑えて綺麗になりたいという方はぜひ参考にしてください。
編集部
安く綺麗にシミ取りしたい方はぜひチェックしてくださいね。
目次
シミ取りは皮膚科と美容外科・美容皮膚科どっちがいい?シミ治療の内容に違いはあるの?
シミ取りはそのシミの種類や特徴に応じて、どこで治療するべきか、どの方法でアプローチするかなど治療方針が異なります。
まずは簡単にシミの種類について紹介します。
シミの種類 | 特徴 |
---|---|
老人性色素斑 | 加齢や紫外線が原因で出現するシミの代表格。 輪郭がはっきりしており薄茶色。 |
肝斑 | 紫外線やホルモンバランスの乱れで出現。 左右対称のもやっとした集合体であることが特徴。 |
そばかす | 紫外線や遺伝的要因で出現。 小さな斑点が散らばっている。 |
炎症後色素沈着 | ニキビ跡やレーザー治療後に出現するシミ。 時間の経過とともに薄くなる場合もある。 |
ADM (後天性真皮メラノサイトーシス) | 20歳前後に現れる、青みを帯びた褐色や灰色のシミ。 「遅発性太田母斑」とも呼ばれ、原因は不明。 |
太田母斑 | 片側の目の周りから頬にかけてできる点状の青アザ。 |
異所性蒙古斑 | おしり以外にできる青アザ。 |
外傷性色素沈着症 | 外傷により皮膚の中に砂やタールなどの色素が閉じ込められたもの。 |
扁平母斑 | 生まれつきの茶アザ。卵円状のものと縁がギザギザしたものがある。 |
編集部
ここからは皮膚科と美容外科・美容皮膚科それぞれの治療内容を詳しく解説します。
皮膚科は病気の治療がメイン
皮膚科は一般の内科や外科と同様に、病気を治療することを目的としています。
病気の治療には保険が適用されるため、本来かかる料金の3割程度の負担額で済む上に、医療費控除の対象となるなど経済的なメリットが多くあります。
一方で、保険適用でシミ治療を受けるには多くの制限があります。
そもそも対象となるのが太田母斑・異所性蒙古斑・扁平母斑といった一部のシミや生まれつきのアザなどに限定されています。
老人性色素斑や肝斑の除去は病気の治療ではなく、美容目的とされているため、一般の皮膚科で保険適用で受けることはできません。
また治療内容についても、保険適用となるレーザーの種類や受けられる回数に制限があり、選択肢が少ないことに注意が必要です。
美容外科・美容皮膚科は美しさを追及する
美容外科・美容皮膚科は病気の治療ではなく、より美しくすることを目的としています。
自由診療のため、保険適用とならない老人性色素斑やそばかすなども対象で、治療するシミの種類に制限はありません。
国の承認を得た機械や薬以外も自由に使用できるため、一人ひとりのシミの状態や取れるダウンタイムの長さなどを考慮しながら最適な治療方法を選択できます。
ただし自由診療のため、医師の技術力や施術にかかる料金はクリニックによって大きく異なりますので、事前のリサーチが必須です。
編集部
事前にクリニックのHPやSNSをよく確認しましょう。
皮膚科と美容外科・美容皮膚科で共通のシミ治療
続いて、皮膚科と美容外科・美容皮膚科で共通して受けられる次の2つのシミ治療を紹介します。
レーザー
レーザーは、レーザー光線によってシミの元となるメラニンを破壊する施術です。
外側から直接メラニンにアプローチすることで高い効果が期待できることから、シミ取りの基本となる治療です。
効果が高い分、施術後は赤みや水ぶくれ、かさぶたが生じるため、一定のダウンタイムがあります。
内服薬
内服薬は、シミの原因となるメラニンの生成を抑制したり、メラニンを排出したりすることでシミを治療します。
内側からのアプローチとなるため、レーザーと比較すれば効果はマイルドですが、レーザーのようなダウンタイムがありません。
またレーザーと併用することで、より綺麗にシミを除去できたり、レーザー後の色素沈着を予防したりと重要な効果があり、特に肝斑においては基本となる治療です。
皮膚科で受けられるシミ治療
続いて皮膚科で受けられる代表的なシミ治療を2つ具体的に紹介します。
クリニックによって導入している機械や薬に違いはあるものの、基本的に一般の皮膚科でないと受けられないシミ治療はありません。
しかし皮膚科の多くは皮膚科専門医が診察を行っているため、識別が難しいシミも専門的な知見に基づき正しい診断をつけてくれる可能性が高いです。
治療方法 | 特徴 |
---|---|
Qスイッチレーザー | シミ取りレーザーの代表。 約1週間ほどのダウンタイムで高い効果が期待できる。 |
内服薬 | メラニンの生成を抑えたり、ターンオーバーを促進してシミを薄くできる可能性がある。 |
Qスイッチレーザー
Qスイッチレーザーはシミ取りレーザーの中でも代表的な機械です。
レーザーの照射時間がナノ秒(10億分の1秒)という非常に短い時間であるため、高い効果を発揮しつつも他の正常な組織を傷つけにくいのが特徴です。
Qスイッチレーザーの中でも皮膚科でシミ治療に多く用いられるのはQスイッチYAGレーザーとQスイッチルビーレーザーです。
内服薬
皮膚科でシミ治療に用いられる主な内服薬はビタミンC、トラネキサム酸、ビタミンEの3つです。
それぞれ、次のような効果があります。
- シナール(ビタミンC)
メラニン色素を還元してシミを目立たなくさせる - トラネキサム酸
抗炎症作用があり、色素沈着を改善させる - ユベラ(ビタミンE)
ターンオーバーを正常化させ、メラニンを排出しやすくする
これらはサプリメントとして摂取するイメージもあるかもしれませんが、皮膚科では医薬品として処方されます。
そのため、体質や他の薬の服用状況などによっては、処方できない場合もありますので注意しましょう。
美容外科・美容皮膚科で受けられるシミ治療
続いて美容外科・美容皮膚科で受けられるシミ治療を具体的に紹介します。
美容外科・美容皮膚科ではシミ治療の種類が多くあり、選択肢が多い分、どの治療方法を選ぶべきか迷ってしまいますよね。
それぞれの治療方法の特徴についても解説していきますので、どれが自分に合っているかチェックしてみてください。
治療方法 | 特徴 |
---|---|
Qスイッチレーザー | シミ取りレーザーの代表。 約1週間ほどのダウンタイムで高い効果が期待できる。 |
ピコレーザー | 極めて短い照射時間でQスイッチレーザーよりもダウンタイムを抑えることができる。 |
レーザートーニング | Qスイッチレーザーの照射方法。 低出力で照射しメラニンを少しずつ排出させる。 |
光治療(IPL) | 様々な波長を組み合わせることで、シミ以外の美肌効果も期待できる。 |
内服薬 | メラニンの生成を抑えたり、ターンオーバーを促進してシミを薄くできる可能性がある。 |
外用薬 | 気になるシミにスポットで塗布することで手軽にシミを薄くする効果が期待できる。 |
Qスイッチレーザー
美容外科・美容皮膚科でも一般の皮膚科と同様にQスイッチレーザーによるシミ治療が可能です。
Qスイッチレーザーの中でもQスイッチYAGレーザー、Qスイッチルビーレーザーが主に導入されており、高い効果が期待できます。
ピコレーザー
多くの美容外科・美容皮膚科ではピコレーザーでのシミ取りも可能です。
一般の皮膚科でもピコレーザーを導入しているところもありますが、美容外科・美容皮膚科と比べればまだまだ少ない状況です。
ピコレーザーはQスイッチレーザーよりも先進の機械で、Qスイッチレーザーよりさらに短いピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短い時間でレーザーを照射します。
それにより、従来よりもさらにピンポイントでダメージを与えることができ、ダウンタイムを軽減しています。
レーザートーニング
レーザートーニングとは、厳密にはレーザーの種類ではなくQスイッチレーザーの照射方法です。
レーザーの出力を弱めて照射することで、メラニンを少しずつ排出させる働きがあります。
レーザートーニングは、くすみや通常のレーザーでは逆効果とされてきた肝斑の治療にも効果があるとされています。
光治療(IPL)
光治療(IPL)は照射系の施術ではありますが、レーザーとは異なり、さまざまな波長を掛け合わせて照射することであらゆる肌悩みにアプローチします。
シミ単体への効果はレーザーよりもマイルドですが、ダウンタイムが短くハリ・ツヤのアップも期待できることがメリットです。
光治療(IPL)は多くの種類の機械があり、それぞれ特徴が異なりますが、シミ治療で人気の機械は次のとおりです。
- ルメッカ
レーザーでは治療が難しい薄いシミに効果的→濃いシミや薄いシミやそばかすなどにも効果が期待できます - ステラM22
お肌のお悩みに合わせて波長のオーダーメイドが可能 - ライムライト
日本人の肌向けに開発された機械
内服薬
内服薬は皮膚科でも処方されるビタミンC、トラネキサム酸、ビタミンEの他、グルタチオンやハイチオールなど幅広く取り扱っています。
- シナール(ビタミンC)
メラニン色素を還元してシミを目立たなくさせる - トラネキサム酸
抗炎症作用があり、色素沈着を改善させる - ユベラ(ビタミンE)
ターンオーバーを正常化させ、メラニンを排出しやすくする - グルタチオン
抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑制する - ハイチオール
メラニンの生成を抑制し色素沈着を防止する
外用薬
外用薬はシミに直接塗布することでシミを薄くしていきますが、代表的な外用薬はハイドロキノンとトレチノインです。
ハイドロキノンは肌の漂白剤とも呼ばれ、メラニンを作る酵素を抑制します。
トレチノインはビタミンA誘導体で、肌のターンオーバーを促しメラニンを排出しやすくします。
シミ取りレーザー以外の効果的な治療法は?
シミ取りは直接メラニンを破壊するレーザーが基本の治療となりますが、体質でレーザーが使用できない方やレーザーのダウンタイムが許容できない方もいます。
そこでここからは、レーザー以外の効果的な治療方法について紹介します。
ルメッカ
ルメッカは光治療(IPL)の機械の一つです。
光治療(IPL)はあらゆる美肌効果を得られる一方で、シミ単体にアプローチしたい場合はレーザーのほうが効率的です。
しかしルメッカは他の光治療(IPL)よりも高出力で照射が可能な上に、レーザーでは反応しにくい薄いシミにも高い効果が期待できます。
ハイドロキノン
レーザーや光治療(IPL)よりも、もっと手軽にシミ治療したいという方は外用薬のハイドロキノンがおすすめです。
本来シミを根本から除去するにはレーザーや光を直接シミに照射してメラニンを破壊することが必要です。
しかしハイドロキノンであれば、スキンケアの後にポイントで塗布し続けることで、薄いシミであれば目立たなくできる可能性があります。
皮膚科と美容皮膚科のシミ取りは保険適用になる?
結論から言えば、皮膚科でも美容皮膚科でも、美容目的のシミ取りは保険適用になりません。
保険はあくまで病気の治療に限定されていますが、保険適用される可能性があるシミは次のとおりです。
- 太田母斑
- 異所性蒙古斑
- 扁平母斑
また保険適用になる場合でも、症状に応じて保険で治療を受けられる回数や頻度が決まっていますので、事前によく確認しておきましょう。
シミ取りレーザーの相場は?
レーザーの種類 | 美容外科・美容皮膚科(自由診療) | 皮膚科(保険適用) |
---|---|---|
Qスイッチレーザー | 約5,600円/1mm~5mm | 数千円~1万円台 |
ピコレーザー | 約5,800円/1mm~5mm | 数千円~1万円台 |
レーザートーニング | 約16,000円/全顔1回 | 取扱なし |
光治療(IPL) | 約19,000円/全顔1回 | 取扱なし |
続いて、シミ取りレーザーの料金相場を一覧にまとめました。
美容外科・美容皮膚科で受ける場合、スポットのシミ取りは1箇所5千円~6千円、全顔のレーザートーニングや光治療(IPL)は1万5千円~2万円程度見積もっていると良いでしょう。
保険の場合は、どこで受けたとしても同一料金で、照射範囲(何平方センチメートル)と負担割合によって負担額が異なりますが、おおよそ数千円~1万円程度です。
レーザーは保険点数が高めに設定されていることもあり、保険適用だとしても格安とは言えないことには注意が必要です。
シミ取りは皮膚科と美容外科どっちがいいかよくある質問
最後にシミ取りは皮膚科と美容外科・美容皮膚科どっちがいいかに関してよくある質問を紹介します。
編集部
疑問点や不安なことを解消しておきましょう。
シミ取りは皮膚科と美容外科どっちが安いの?
シミ取りを皮膚科で保険適用で行った場合と、美容外科・美容皮膚科で保険適用外で行った場合は、料金体系が異なるため一律でどちらが安いと決めることはできません。
皮膚科で保険適用で行う場合は、照射面積ごとに保険点数が決められており、かつ加算があったり、人によって負担割合が異なったりと複雑な料金体系です。
美容外科・美容皮膚科は自由診療のため、クリニックによって料金が大きく異なります。
そもそも保険適用となるシミは制限がありますので、生まれつきのシミやアザを除き、美容外科・美容皮膚科のHPから予算内のクリニックを探してみましょう。
シミ取りは皮膚科と美容外科どっちが上手い?
綺麗にシミ取りをしたい場合は、基本的には美容外科・美容皮膚科がおすすめです。
美容外科・美容皮膚科は治療方法やレーザーの種類の選択肢が多いため、一人ひとりの症状に応じて最適なシミ取りを行えます。
また美容外科・美容皮膚科の場合はクリニックのHPやSNSに症例が掲載されていることが多いため、経験が豊富で症例が綺麗な美容外科・美容皮膚科を選べば失敗を少なくできます。
保険適用になるか見極められない場合はどうしたらいい?
保険適用になるか見極められないシミがある方は、保険診療と自由診療どちらも行っているクリニックを選ぶのがおすすめです。
状態を確認の上、生まれつきのシミやアザと診断されれば、保険適用で処置を行ってくれますし、美容目的と診断されれば自由診療で治療となるため、複数のクリニックをまわる必要がありません。
保険診療と自由診療どちらも行っているかどうかは、クリニックのHPに「皮膚科」と「美容皮膚科」など診療科目を分けて掲載しているところを探すと確実です。
まとめ
今回は、シミ取りは皮膚科と美容外科・美容皮膚科どちらで行うべきか解説しました。
本記事のポイントは次のとおりです。
- 生まれつきのシミやアザなどの一部を除いてシミ取りは保険適用外
- 皮膚科は病気の治療を目的としているため治療方法に制限がある
- シミ取りはレーザーや内服薬が基本で、美容外科では光治療や外用薬の取り扱いもある
- 綺麗にシミ取りしたい場合は美容外科がおすすめ
- 美容外科は事前にHPやSNSで詳細を確認しておくべき
シミ取りは、皮膚科でも一部行える可能性がありますが、綺麗にシミを取る、美しくなるという目的では基本的に美容外科・美容皮膚科がおすすめです。
ただし美容外科・美容皮膚科は自由診療である分、医師の経験やシミ取りの料金がクリニックによって大きく異なる場合があります。
シミ取りをしたい場合は、クリニックのHPやSNSで症例や料金体系をよく確認しておきましょう。
美容外科・美容皮膚科は初回カウンセリングが無料の場合も多いため、気になる方はまずは一度カウンセリングに足を運んでみてはいかがでしょうか。