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脂肪吸引のリスクを減らして施術を受けるポイント

■正しく知ろう!脂肪吸引Q&A

自己流の食事制限や運動ではなかなか減らすことのできない脂肪。脂肪を減らすことのできる方法として美容外科で注目を集めているのが「脂肪吸引」です。

しかし、中には誤ったまま広がってしまった脂肪吸引の知識や、施術を受ける際に注意しておかなくてはならない点などがあります。今回は、脂肪吸引の正しい知識とリスクを軽減して施術を受けるためのポイントをご紹介します。

脂肪吸引の誤った知識や噂は数多く広まっており、どれが本当でどれが嘘かわからなくなっている方が多いのではないでしょうか。まずは脂肪吸引において勘違いされやすい知識について、Q&A形式でご紹介します。

・体重減量にも効果がある?
多くの方が「脂肪吸引をすることで体重も減少できる」と思っていますが、実は脂肪吸引をしても体重はあまり減りません。というのも、脂肪吸引の際に吸引する脂肪組織は水に浮くほど軽いため、大量に吸引して見た目は変化したとしても、体重にはあまり変化が見られないことがほとんどです。

脂肪吸引はあくまでプロポーションを変化させるための施術であり、体重を変化させるためのものではないということを知っておきましょう。

・施術の際は全身麻酔しか使わない?
脂肪吸引の際は麻酔が必要になりますが、全身麻酔をすることに抵抗を感じている方も多いでしょう。しかし、脂肪吸引の際は必ずしも全身麻酔だけを用いるというわけではありません。

麻酔には主に、意識をなくし眠らせる働きと、痛みを取る働き、筋肉を動かなくさせる働きがあります。美容外科の脂肪吸引で用いられる麻酔には、主に「局所麻酔」「全身麻酔」「静脈麻酔」が挙げられます。以下でそれぞれの麻酔について見てみましょう。

局所麻酔とは、注射で痛み止めの薬液を注入する方法で、部分的に麻酔をかけることができます。脂肪吸引の際に体内に注入される、脂肪をふやかすための「トゥーメセント液」もその一種です。部分的な麻酔であるため身体への負担が少ない一方、手術中も意識があるため、恐怖心や注入の痛みを感じることがあります。主に痛みを取るために使われている麻酔です。

全身麻酔は、主に吸入によって体内に注入される麻酔です。麻酔器を使い、人工的に呼吸を管理するという方法が採られています。全身麻酔をすると手術中の意識がなくなるため怖いと感じる人がいるようです。しかし、意識がなくなることで逆に手術中の恐怖心や痛みを感じることがなく、気道が確保されているため、呼吸の抑制や停止などが起こる危険もありません。

静脈麻酔は全身麻酔の一種ですが、主に点滴によって静脈に注入される麻酔です。注入後は全身麻酔と同様に意識レベルが落ち、痛みや怖さを感じることのないまま施術を完了させることができます。吸入による全身麻酔が、術後の目覚めが悪くなったり吐き気を感じたりするのに対し、静脈麻酔は薬の改良により、術後の副作用を抑えることができるという点がメリットです。

麻酔が効かなかったという人がいますが、基本的に麻酔が効かない人はおらず、意識レベルが落ちないということもありません。全身麻酔は、医師にとっても患者にとっても有用な施術をするために有効な方法だと言えるでしょう。

・全身の肥満を一度に対処できる?
脂肪吸引によって、全身がスリムになると思っている方がいますが、これは誤りです。脂肪吸引は部分的に脂肪を吸引することによってシルエットを整える施術です。吸引できる部位は顔、二の腕、お腹、お尻、太もも、ふくらはぎです。いずれも吸引の難度などが異なるため、受けたい部位を医師に伝えた上で、施術箇所が多い場合はダウンタイムなどを考慮しながら数回に分けて吸引することがあります。

・内臓脂肪にも効果的?
内臓脂肪の多い方が脂肪吸引を希望することがありますが、脂肪吸引で吸引できるのは皮下脂肪のみとなっており、内臓脂肪は吸引できません。内臓脂肪には肝臓や筋肉の隙間にたまる脂肪であることから、吸引の際に傷つけてしまう危険性があるためです。

また、下腹部は脂肪が蓄積されやすい一方でさまざまな臓器が集中していることから不安に感じる方もいるようですが、皮下脂肪と内臓の間には筋肉や腹膜という頑丈な組織があるため、臓器が傷つくことはありません。

・極限まで脂肪を取ることは可能?
予定した分量は取り残しがないよう吸引することができますが、基本的にある程度の脂肪を残しておくように計画を立てます。例えばくびれをつくる場合には、くびれの上下に脂肪を残すことできれいな曲線を描くことができるのです。

また、脂肪を残さず取り除いてしまうと、表面が凸凹になったり、シワやたるみができたり、骨や血管が透けてしまうことがあります。指でつまめる程度に残しておくのが理想的です。

・効果は永久に続く?
食事制限や運動を行う際に気になるのがリバウンドです。脂肪吸引の場合も、吸引後に元に戻ってしまうのではないかと心配になる方もいることでしょう。しかし、脂肪吸引では脂肪細胞へのアプローチが異なるため、術後の経過も異なります。

運動や食事制限の場合は脂肪細胞のサイズを小さくすることで痩せますが、脂肪吸引の場合は、脂肪細胞の数自体を減らします。脂肪細胞の数は生まれつき決まっており、多い人は痩せづらく少ない人は太りにくくなりますが、脂肪吸引によって脂肪細胞の数を減らすことで、術後も太ることはなく、痩せやすい体質になれるのです。

・脂肪吸引を受けたら、どれだけ食べても大丈夫?
上記の通り、脂肪吸引をすると太りにくくなります。しかし、だからと言っていくら食べても良いわけではありません。生まれつきの状態より太りにくくなりますが、まったく太らないというわけではないので、術後も維持できるよう気をつけましょう。

■脂肪吸引の施術方法を知ろう

脂肪吸引においてささやかれる噂の数々を検証しました。脂肪吸引に対する理解が深まったのではないでしょうか。続いて、実際の脂肪吸引の方法についてご紹介します。さまざまな方法がありますが、以下ではヴェリテクリニックで行なっている施術について見てみましょう。

・脂肪吸引
脂肪吸引専用のカニューレで、脂肪細胞を直接吸引してサイズダウンを図る施術です。吸引する部位の目立たない部分を3センチほど切開し、プロテクターを装着してからトゥーメセント液を部位全体に注入して脂肪をふやかします。脂肪をふやかしたら、金属のストローのような吸引管であるカニューレを挿入して脂肪細胞を吸い取ったら完了です。

吸い込む際は「MLL(マルチプル・レイヤー・リポサクション)」という手法を採っています。これはヴェリテクリニックで採用している吸引法で、脂肪を表層、中層、深層に分けて行います。表層と深層は均等に吸引し、中層は均等に吸引しつつ少し残すことで、皮膚と筋膜の癒着や皮膚のたるみを防ぎ、仕上がりを滑らかにすることができます。

・ベイザー脂肪吸引
従来の脂肪吸引に加え、「ベイザー波」と呼ばれる脂肪細胞のみにアプローチする特殊な超音波を用いることで、吸引率を約90%にまでアップすることが可能となりました。

施術の手順は脂肪吸引と同様ですが、脂肪吸引量が多いだけでなく、施術時間が従来の脂肪吸引より短くて済みます。皮下の繊維組織を傷つけることもないため、術後は肌が引き締まり、たるむことはありません。

■脂肪吸引は医師選びが重要

脂肪吸引の仕上がりを考える上で欠かせないのが、担当する医師のスキルです。脂肪吸引で報告されている失敗例には、形が不自然、以前よりたるんだ、カニューレの通った部分に溝ができたなどがありますが、これらはいずれも医師の技術力が影響しています。

リスクだけでなく、満足のいく仕上がりになるよう、信頼できる医師を見つけることが成功への鍵と言えるでしょう。続いては、脂肪吸引の際の医師選びのコツについてご紹介します。

・症例数をチェックしよう
まずチェックしておきたいのが、医師の脂肪吸引の症例数です。500例以上の経験があれば、成功も失敗も経験しており、技術力・判断力ともに問題ないと言えます。それ以下の症例数ごとの実力については、概ね以下の通りです。

50例以下
指導医からマンツーマンで指導を受けている状態。まだ執刀医とは呼べない。

51〜100例
一人で施術を担当するが、最終的に指導医のチェックが入る。最後に指導医が修正手術を行うことがあるが、その分失敗はない。

101〜200例
指導医のチェックなしに一人で施術を行うようになる。高品質な施術は望めないが、まだ慣れていないため慎重に行なってもらえる分、丁寧な施術が受けられる。

201〜300例
一人での施術に慣れてくる頃。リピーターがつくこともあるが、一方で再手術や難易度の高い症例に対応するのはまだ難しい。

301〜499例
ほとんどの症例に対応できるスキルを備えてくる頃。慣れているゆえの失敗を起こしてしまう可能性も考えられるため、注意は必要。

・逆に症例数が不自然に多い場合は要注意
上記を見ると、症例数が多いほどリスクが少なくなると思いがちですが、中には症例数を水増しして申告している場合もあるため、注意しましょう。例えば5人の患者の二の腕の脂肪吸引を行なった場合、本来の症例数は5とカウントされます。ところが、これを腕1本ずつでカウントし10例としてしまう医師やクリニックがあるのです。

さらには腕を上下に分けてカウントするという小細工を行うところもあります。経験年数の割に症例数がやたら多いなどの不自然な点が見受けられたら、積極的にカウンセリングで尋ねるようにしましょう。

・医師の経歴も参考にしよう
医師の経歴も参考にしましょう。美容外科に勤める場合、医科大学を卒業してからそのままなるのではなく、一度他の科で働いてから美容外科医になるケースが多く見られます。そのため、医師としての年数は長いものの美容外科としての経験は浅いという場合があります。クリニックでの在籍年数などと合わせてチェックしてみましょう。

・実際に会ってカウンセリングを受けよう
医師の経歴チェックも大切ですが、何より大事なのは実際に会ってみることです。話をしてみてフィーリングが合いそうかどうか、麻酔に関することなど不安をクリアにできるような説明をしてくれるかをチェックします。他にも、きちんと脂肪や肌の状態を確認した上で提案してくれるかなど、いかに丁寧に真摯に向きあってくれるかという点を自分の目で確かめましょう。

■まとめ

脂肪吸引はデリケートな施術であることがわかりました。リスクやポイントを知った上で、信頼できる医師に相談し、施術を受けるようにしましょう。