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第60回日本形成外科学会総会 大阪 2017/04/12-14

一般演題 眉間を含めた隆鼻術:PTFEプロテーゼとシリコンプロテーゼの比較

【目的】
隆鼻術に際して、眉間も同時に高くするためにPTFEシートを用いてプロテーゼを作成してきた。2015年からは3次元頭蓋骨模型を基にシリコンプロテーゼをオーダーメイドすることが可能となった。これまでのPTFEプロテーゼとオーダーメイドシリコンプロテーゼの臨床経験を比較報告する。

【方法】
2015年4月から1年間に眉間を含めて隆鼻術を行った症例のち、PTFEを使用したものは112例、オーダーメイドシリコンを使用したものは48例であった。どちらのプロテーゼも手術前に3次元頭蓋骨模型の上で成形を行った。PTFEシートは厚さ3ミリと2ミリのものを必要にあわせて重ね合わせ、手術用の瞬間接着剤で貼り合わせ、さらにナイロン糸で縫合した。オーダーシリコンはエポキシ樹脂で模型を作成し、韓国のKeosan trading社にシリコンでの複製を依頼していた。PTFEプロテーゼの挿入時にはプロテーゼの折れ曲がりを防ぐために、プロテーゼの上端と鼻根部を糸で牽引しながら挿入した。オーダーシリコンは鼻根部の位置が上下にずれないように糸で牽引固定した

【結果】
PTFEプロテーゼは挿入が煩雑であった。術後にプロテーゼの上端が折れ曲がったり、プロテーゼが正中からずれていたり、弯曲していたりしたために修正を要した。シリコンプロテーゼでは、折れ曲がりや弯曲は見られなかった。額や眉骨augmentationするためのシリコンプロテーゼと眉間と鼻背のプロテーゼを一体として挿入したれでは、鼻背のプロテーゼが正中からずれることを経験した。

【考察】
オーダーメイドシリコンプロテーゼはPTFEに比べ、手術時間を短縮し、術後のプロテーゼの変形を防止することができることがわかった。オーダーシリコンは、術中にプロテーゼの厚みを調節することができないため、術前のデザインが非常に重要である。


眉間を含めた隆鼻術:PTFEプロテーゼとシリコンプロテーゼの比較

2014年1月から3年間に眉間を含めて隆鼻術を行った症例

PTFE 281例

オーダーメイドシリコン 48例

術後経過を調査
・感染
・変形
・入れ替え希望


プロテーゼの折れ曲がり PTFE 3%/シリコン 0


鼻筋の弯曲・ずれ PTFE 5%/シリコン 7%


鼻筋の弯曲・ずれ PTFE 5%/シリコン 7% Why?


入れ替え希望 PTFE 20%/シリコン 24%


  PTFE   シリコン  
感染 4%   2%  
鼻筋の弯曲・ずれ 5%   7% ←額と一体型でなければ1%
プロテーゼの折れ曲がり 3%   0  
 
入れ替え希望 20%   24%  
高い 9%   10%  
低い 9%   4%  
細い 1%   4%  
太い 1%   1%  
希望デザインの変更 1%   4%  
素材ではなく、デザイン力と患者の移り気が問題