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第58回日本形成外科学会総会 京都、日本 2015/04/08-10

2012年の第100回日本美容外科学会(JSAS)に報告されたpingtian式faceliftは後半にほほの皮膚を剥離し、皮弁の裏側に糸を通し、その糸を耳前部の皮膚に一時的にボルスター固定して顔面中央部のリフトに向いた術式である。

ligamentの切離とshort SMAS弁のつり上げを行うこれまでのfaceliftに、2012年以来Pingtian式を併用してきたので、その有用性について報告する。

pingtian式facelift

【方法】
耳前部からの距離が3cmから5cmの範囲ではSMAS下を剥離するが、それより前方と後方ではSMAS 直上の皮下深部を剥離してretaining ligamentを切離する。

剥離範囲の先端より2から3cm後方の皮下に糸をかけ、その糸の両端を耳前部切開線より後方の皮下を通してから後頭部の皮膚を貫通させ、頬前方の皮膚に凹みができるほど強い力で引き上げたところでボルスター固定する。

ボルスター固定による引き上げが完了してから、皮弁に付着しているSMASの外側縁を耳下腺部のSMASに縫着し、耳前部で皮膚のトリミングをする。ボルスター固定した糸は1週間から2週間後に抜去する。

【結果】
Pingtian式を併用したfaceliftを10例に経験した。引き上げに際してSMAS弁が裂けることがなくなり、これまで見られたliftでの左右差が少なくなった。2週間までのボルスター固定に伴う合併症はなかった。1例に耳前部の肥厚性瘢痕が発生した。

  

以前報告した ligament の問題点

LigamentやSMASが裂けるのを恐れて強く引っ張れないため、後半にリフトする側では引き上げが弱くなってしまう