第52回日本形成外科学会総会 Part1 横浜 2009/04/22-24
一般演題:「下眼瞼除皺術でシワはとれるのか?
■ ヴェリテクリニック
福田慶三、中西雄二
目的:
下眼瞼の加齢変化は、皮膚の皺と目袋と呼ばれる下眼瞼隔膜前部の膨らみと目袋の下縁にできる溝(内側のnasojugal grooveと外側のpalpebro-malar groove)に代表される。
下眼瞼睫毛下縁に切開を加えて余剰皮膚を切除する下眼瞼除皺術によって、下眼瞼の加齢変化を改善できるのかどうか検討した。
方法:
われわれは2002年以来、skin-muscle flapの挙上とfat repositionと眼輪筋のつり上げを行ってきた。
(スライド1)
(スライド1)
ただし、2005年6月から眼輪筋を切開しないskin flapを挙上する術式を10例に行った。
この方法では経結膜で眼窩脂肪を切除した後に、skin flapを挙上し、眼輪筋には全く切開を加えないで外眼角部で眼窩縁骨膜にplicationし、余剰皮膚を切除した。
(スライド2)
(スライド2)
skin-muscle flapの36例とskin flapの10例の術後結果を比較して
・ Skin flapは皺の治療に向いているか?
・ Skin flap +経結膜脂肪切除(眼輪筋温存)は術後の外反・下三白眼を予防できるか?
・ Skin muscle flap (脂肪移動術)はnasojugal grooveの改善効果が大きいか?
について検討した。
(スライド3)
結果:
skin flap法の症例結果
(スライド4,5,6)
(スライド4)
(スライド5)
(スライド6)
skin-muscle flap法の症例結果
(スライド7,8)
(スライド7)
(スライド8)
skin-muscle flapでもskin flapでも、襞のように垂れ下がったり、重なったりしているしわ(festoon)は改善されたが、縮緬皺や深く刻まれたしわは改善されなかった。
眼窩脂肪の切除によって目袋は縮小し、下眼瞼と頬の境界は上方へ移動した。眼窩脂肪を切除しなかった症例よりも切除した症例のほうが満足度は高かった。
眼窩脂肪切除するだけで、下方移動していないskin flap例では深い下眼瞼溝が残った。
(スライド9)
(スライド9)
下眼瞼除皺術では余剰皮膚を切除するにもかかわらず、しわの減少効果は限られている。
むしろ、加齢に伴う下眼瞼から頬の輪郭変形の改善が下眼瞼除皺術の主な目的である。
(スライド10)
(スライド10)