形成外科 第52巻第1号 (2009年1月号)論文 Face lift – 私の方法
■ 形成外科 第52巻第1号(2009年1月号)Face lift : 私の行っている方法 p33
顔面の皮膚とSMASは共にretaining ligamentによって深部組織に強く固定されている。
retaining ligamentの無いところでは、その癒着が弱い。そのため、加齢によって皮膚が垂れ下がってきた時、retaining ligamentの存在する所では下垂が少なく、凹みとなる。フェイスリフトで皮膚やSMASを引き上げると、retaining ligamentは抵抗として働き、内側の引き上げを妨げることになる。
フェイスリフトをできるだけ顔の正面まで伝えるためにはretaining ligamentを切離する必要がある。
そこで、頬から頸部にかけてSMASとplatysmaの下面を剥離してzygomatic ligamentとmasseteric ligamentを完全に切離し、切離したligamentの断端を外側のSMASや頬骨骨膜につり上げる操作を取り入れた。
自験例で評価してみると、retaining ligamentの切離が不十分であった術式に比べ、jowlが著しく向上した。
皮膚切開と切除を赤で示す。 皮下剥離は黄色。 SMAS(筋膜)より深い剥離は緑 retaining ligamentの存在位置を水色で示す。 |
加齢変化で生じる顔面の陥凹はretaining ligamentが皮膚に付着している部位に相当する。
retaining ligamentを切離するまで、筋膜SMAS下を前方に広げるのがリフトを大きくするのに重要である。
術前。 |
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リフトのシミュレーション。 |
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midface, 法令線と口角のマリオネットラインと口唇には脂肪注入を予定。 |
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術後1年。 |