形成外科 第50巻第9号(2007年9月号)
■ 克誠堂出版 形成外科 第50巻第9号(2007年9月号)Pepars フェイスリフト実践マニュアル deep layer でのフェイスリフト
・Abstract
顔面の皮膚とSMASは共にretaining ligamentによって深部組織に強く固定されている。retaining ligamentの無いところでは、その癒着が弱い。
そのため、加齢によって皮膚が垂れ下がってきた時、retaining ligamentの存在する所では下垂が少なく、凹みとなる。フェイスリフトで皮膚やSMASを引き上げると、retaining ligamentは抵抗として働き、内側の引き上げを妨げることになる。
フェイスリフトの影響をできるだけ顔の正面まで伝えるためにはretaining ligamentを切離する必要がある。
そこで、頬から頸部にかけてSMASとplatysmaの下面を剥離してzygomatic ligamentとmasseteric ligamentを完全に切離し、切離したligamentの断端を外側のSMASや頬骨骨膜につり上げる操作を取り入れた。
自験例で評価してみると、retaining ligamentの切離が不十分であった術式に比べ、jowlが著しく向上した。